119 『くの一教室』�� ページ20
品が出てくるごとにくのたまたちは驚き、喜び、どれにしようかと思い悩んでいた。
「これって新品なの？」
「そうだと思いますよ。シナ先生にも確認してもらいましたから、ご安心ください」
「嬉しすぎる……！」
生徒達に貢がせていた天女様達と、もしかしたら変わらない存在である天女が目の前にいるというのに、彼女達はすでに気にしていないようだった。
白熱した争いが繰り広げられたが、全員に品が渡ったようだった。それはつまり、くのたまの人数分以上に天女様が貢物をさせていたということになる。
「ねえ、天女様。本当にいらないの？」
「ええ、私じゃ価値も分からないですし。きちんと使ってくださるくの一教室の皆さんにあげたほうがいいと思って」
「最高すぎます、天女様！忍たまが天女に貢ぐものと言ったら、そりゃあ良い代物ばっかりですから！」
「額には限度があるけど、いつも買ってるものよりはかなりいいわよね」
「天女様のものだったやつですが……それでもいいんですか？」
「いつまでも天女様のことなんて引きずってらんないですよ！」
「まあ、忍たまたちより被害に遭ってないって言うのもあるけどね」
そうは言うが、上級生が妖術にかかっていき、下級生が恐怖に見舞われている光景は見ているだけでもかなり辛いもののはずだ。
「私も一応天女ではありますが……そこのところは……」
「シナ先生から天女様の話は何回か聞いたことがあります」
「時々、仕事してるところを見に行ったりもしましたよぉ？もちろん、先生に許可を得て！」
「そうだったんですか……？全然知らなかった……」
「ふふん、これでもくの一の卵ですから！」
胸を張って得意げに言う彼女達はとても輝いていた。
「だから、保健委員会の件についても天女様が妖術をかけたとは思ってません」
「本当に？」
「忍たま達が疑う気持ちもわかるけど……蚊帳の外にいたからこそ分かるんです」
「そうですよ。保健委員会はかかってません。そして、貴方は妖術をかけてなんかいません」
天女は安心をこぼすように息を吐いた。
「やっぱり……行動で示すのが一番そうだ……」
「え？」
「いえ、こっちの話ですよ。くの一教室の皆さん、ありがとうございます」
彼女達はきょとんとしていたが、少し照れたように笑みを浮かべた。
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和三盆(プロフ) - 飴玉くんさん» ありがとうございます〜！タソガレドキは毒を入れないとは二人も分かっているけど、上級生が毒味するのはあまりにもリスクが高く、下級生はもってのほか。なので、彼女がやるのが一番なんですよねぇ。 (3月30日 20時) (
レス) id: 3efe28aec7 (このIDを非表示/違反報告)
飴玉くん - 毒があるかもしれないおむすびを食べるなんて男気に溢れていますねぇ！今回の作品もとても好きです！！！ (3月30日 0時) (レス) id: bc84786978 (このIDを非表示/違反報告)
和三盆(プロフ) - 凡人様さん» ありがとうございます！！楽しんでいただけるよう頑張ります！ (3月13日 17時) (レス) id: 3efe28aec7 (このIDを非表示/違反報告)
凡人様(プロフ) - すっごく面白くて最新話まで読み終えちゃいました！！夢主さんが誰にも靡かないで逆に利用してやる！！って感じのずる賢いところがとっても大好きです✨このシリーズが長く続きますように🕊️ (3月12日 5時) (レス) id: 2ec7772a57 (このIDを非表示/違反報告)
和三盆(プロフ) - 飴玉くんさん» ありがとうございます！彼女は立場も力も弱い人間なので、ずる賢く生きる必要があるんですよねぇ。 (3月5日 17時) (レス) id: 3efe28aec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和三盆 | 作成日時：2023年12月8日 15時
