番外編(1) ページ36
重岡side
色々あった体育祭から1ヶ月、
あれから柚月は
『大毅！おはよう！』
有り得へんくらいに可愛ええ。
毎日にこにこで話しかけてくるわ、
あれから俺の事は大毅呼びだわ、
目が合ったら笑いかけてくるわって
ほんとにあの柚月ですか？って感じやな。
「…おん、おはよ」
『大毅なんか元気ない？』
顔を覗き込んでくる柚月に、赤くなった顔を見られたくなくて、急いで顔をそむけた。
俺、押しに弱いねんなぁ…
でも、こんな態度とられたら期待してまうのが男ってもんで、
「いや、大丈夫やで？」
『そう？』
告白はやっぱり俺からやんなって心の中で誓った。
あれから数週間、
はい、重岡大毅、まだ告白出来てません！
「どないしよぉ、濱ちゃぁん‥」
「えぇ、俺？！」
昼休み、今日も綺麗ななで肩になだれ込む。
「濱ちゃん彼女できたんやろ？なんて言ったん…」
「んー、俺は勢いだけやったからなぁ」
「それでも、羨ましいわ」
濱ちゃんはうーん、と考えた後、
「でも、佐々木ちゃん見てる限り、振られる心配はないと思うけどなぁ、心配せんとしげの気持ち素直に伝えてみたら？」
俺の肩を叩きたがらこう言った。
せやんなぁ、
俺の、素直な気持ち…
「ありがと濱ちゃん！俺行ってくるわ！」
「え、今？！」
驚く濱ちゃんを後目に、俺は教室を飛び出した。
柚月はいっつも中庭で弁当食べてるはずやから…
中庭に出ると、見えてきた愛しい姿。
「…柚月！！」
『へ、大毅？どうしたの？』
中庭には結構な人がおったけど、
柚月の姿を見たらそれも全部どうでも良くなって、
「柚月、俺お前のこと好き、」
ぶわっと顔を真っ赤に染める柚月。
あれだけ、いつも積極的なのに、こういうのは照れんのや、可愛ええ。
気付いたら腕の中に柚月を閉じこめていた。
「柚月の事、俺が絶対大事にするから、
俺と付き合ってください！！」
どうしようもないくらい胸がドキドキして、
もし、振られたらどうしようって、
『…はい』
でも、泣きそうな柚月の声を聞いたら、どうしようもないくらいの安心感と愛おしさが溢れてきて、
俺は、柚月にキスをした。
耳が割れるくらいの悲鳴の中で、
赤く染ったあいつの顔を俺は絶対忘れへん。
END
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作者名：@moca | 作成日時：2019年7月26日 22時
