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『流星!』
そう叫びかけて、私は言葉を止めた。
だって、どこか悲しそうな顔をしていたから…
嫌な予感を感じながらも、その視線の先を追うと、
「えぇ、ちょっと何すんの!」
「ははっ、ごめんごめん」
案の定知らない男の人と楽しそうに歩いていく真夏さん。
やっぱり、私よりも真夏さんが気になっちゃうくらい好きなんだね。
やっぱり、私は少しも流星の視界に入れないのかな
すぐ声をかけなきゃとは思うけど、思ったように足は動かなくて、
『もう、だめだ』
これ以上流星の顔を見ていたくなくて、私は喧騒から遠ざかるように走り出した。
靴擦れをした足が痛くて、でもそれ以上に胸が痛い。
堪えようと思っても出てきてしまう涙が、私の呼吸を上手くできないようにする。
遂に動けなくなって足を止めた時、
___バーン
大きな花火が上がった。
流星と見たかったな。
今流星はどうしてるかな。
もしかしたら、真夏さんと居るのかも。
『流星、好きだよ。
ずっとずっと大好きでした。』
高校最後の夏、
私の恋心は花火のように散っていった。
END
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作者名:@moca | 作成日時:2019年7月26日 22時