Summer～短編集～(JW) (ページ24)

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『流星も食べる？ってあれ…』

たこ焼き屋さんの前に来た私は、ようやく自分が流星とはぐれてしまったことに気がついた。

あぁ、こんなだからまだまだ子供だと思われるんだよ、私の馬鹿

なんて自分に向けて悪態を付きながらも、宛もなく1人で人混みを歩く。

慣れない下駄に足は痛いし、周りには知らない人しかいない状況に泣きたくなるけど、

泣いたらなんか負けな気がして、1人ベンチに座り込んだ。

『あぁ、赤くなっちゃってる』

情けないなぁって涙が出そうになった時…

「あれ、佐々木？」

『え、濱ちゃん？！』

クラスメイトの濱ちゃんに遭遇した。

「こんな所でなしたん？」

『あ、ちょっとお義兄ちゃんとはぐれちゃって』

自分で言ったお義兄ちゃんという言葉に少し凹む。

『濱ちゃんは？』

「んー、彼女と来てたんやけどなぁ
目ぇ離したらいなくなっててん」

『あぁ、なるほど』

確かに、濱ちゃんの彼女さんはあまり知らない私でも、活発で元気なイメージがある。

『じゃあ、彼女さん探し頑張ってね？』

「おん、佐々木こそ、絶対お兄さん心配してるで！」

そう言いながら走っていく濱ちゃん。

心配、してくれてるかな…

その時、見慣れた浴衣が視界の端に映った。