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夏祭り当日。



いつもより丁寧に髪を巻いて、流星が好きだと言ってたメイクをして、




初めて流星とお祭りに行った時と似た浴衣を着た。






どうせ私の事なんか目に入らないのに馬鹿みたいだなぁとは思うけど、やっぱり少しくらい特別に見られたくって…





流星が待っているであろう玄関に向かって走る。






『ごめん!遅くなった!』

「おぉ、遅いでって…」


途中で言葉を止めた流星を不思議に思った時、
流星はふわりと笑って



「なんか、綺麗になったな。柚月」





そんなのずるいよ、もっと好きになっちゃう。



だから




『何、急に!恥ずかしいなぁ』




いつもの様に誤魔化した。









「よし、どこ回る?」

ざわざわと騒がしい人混みを適当に歩きながら、流星の言葉に頭を悩ませる。

花火まではまだ時間があって、それまで屋台を回ろうって話になったんだけど




『どれも美味しそう…』

「ふはっ、柚月が行きたいところでええよ」

『じゃあ、まずはたこ焼き!』









そう言って屋台に向かう私は、いつの間にかいなくなっていた流星に気づかなかった。

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作者名:@moca | 作成日時:2019年7月26日 22時

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