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3,恋人(緑) ページ11

私が智くんと話さなくなって、もう5年が経った。

付き合った当初は制服姿だった私達も、もう20歳を越えていて、





勝手に姿を消したのは私なのに、どうして私は今智くんの家の前に立っているのだろう…



『…でもやっぱり、会いたいなぁ』


勇気を振り絞って、私は見慣れたはずのマンションのインターフォンを押した。



___ピンポーン









私は今、智くんの家の中にいる。

入れてもらったは良いものの、合わない視線や交わらない言葉に、少し泣きそうになる。

部屋の中は変わらないのに、何だか私達の空気だけが変化してしまったみたいだ。


『ねぇ、智く「あんなぁ、柚月?」


やっと話してくれた喜びから背筋が伸びるのが分かった。


『うん』


「俺な、柚月がいなくなった後、必死に目指してた大学合格してな?今は結構大きな企業に務めてんねん。」

『うん、知ってる。おめでとう』

「のんちゃんも立派なアイドルとして、今街中で大人気やわ」

『お兄ちゃん、昔から頑張ってたからね』

「でもやっぱり柚月がいなくなってから、俺も皆もどっか元気ないねん。」

『うん、ごめん』

「なぁ、なんで勝手にいなくなってしまったん?」



ごめん、ごめんね智くん。

何回だって謝るよ、
これからずっとそばに居るって誓うよ、
今まで彼女作ってなくて嬉しいって思ってるよ、




だからもう泣き止んでよ。





こっち向いて、話そうよ。






伝えたいこといっぱいあるんだから。









‥だから、お願い。
そんな悲しそうに仏壇なんて見つめないで?

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作者名:@moca | 作成日時:2019年7月26日 22時

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