Using Love (青) (ページ9)

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ほら、そこはやっぱり小説だからページ9

はい、なんだかんだで、学校祭当日。

え、流れ早いって？
ほら、そこはやっぱり小説だから←

まぁ練習期間は特に何も無くいつもどうり。

本番直前でやる気満々の教室を抜け出して、廊下に1人しゃがみ込む。

こんな性格だけどさ、結構緊張しいっていうか、真面目に目立つの無理っていうか…

失敗したら皆に嫌われちゃうかな、なんて私らしくもない。

『…はぁ』

つい、ため息が零れた時

「何ため息なんかついてるん？」

『…藤井くん？』

「そう、王子様仕様の藤井くんやで」

いつもどうりふざけた事を言いながら、もう既に衣装に着替えた藤井くんが立っていた。

そっか、もうそんな時間か。

『私も着替えてくる。』

そう言って、更衣室に向かおうとしたんだけど

「…待って？」

藤井くんの手がそうさせてくれなかった。

『なんか用？』

こいつに負けるのなんてゴメンだから、緊張を悟られないようにいつもを装う。

「緊張、してるん？」

まぁ、無理だったけどね？！

『別に、そんなんしてないし！』

はぁ、こんなムキになったらしてますよって言ってるようなもんだ。

「嘘や、手ぇ震えてる。」

『うるさいなぁ、だったら何？』

「………………から…」

『へ？』

その瞬間、私の視界は真っ黒に支配された。

「だから、もし失敗しても俺が守るからって言うてんの！それくらい察してや！」

あ、私抱きしめられてんだ。
なんて思う間もなく顔に熱が集まる。

『分かるわけないでしょ、そんなの！
もう、恥ずかしい事言ってないで離してよ、私着替えるから！』

テンパりにテンパりまくった私はそう叫びながら、更衣室に向かって廊下を走り出した。

ありえない、ありえない、
あんな奴に抱きしめられるなんて！

でも1番ありえないのは

『……あっつ』

こんなんで動揺してる私だ。