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晃一「俺、最初拓弥とシフト交換してもらおうと思っててん。
やけど、海が先に交換しててな、」
拓弥「おいおいおい。
お前も緒川さんのこと狙ってんの?」
晃一「……俺今そんなこと言うた?」
拓弥「…話の流れ的にはそういうことだろ」
晃一「……」
決まり悪そうな晃一。
晃一「…お前、狙うとか言うなや。物やないんやし…
…っていうかお前“も”って何やねん!
拓弥もあいつのこと狙ってるわけちゃうよな!? な!?」
目が飛び出そうなほどの目力を受け、俺は一瞬恐怖さえ覚えた。
拓弥「んなわけないだろ。
っつうかお前も“狙う”とか言ってんじゃん(笑)」
晃一の目力は少し弱まった。
どうやら本気で悩んでいるみたいだ。
拓弥「…お前、本気なの?」
晃一「………まぁな」
晃一に恋愛相談されるのなんて、初めてかもなぁ…
どうアプローチするかとか、まず“好き”って段階で相談されたこととかなかったし。
晃一「……あいつ、呼ぶ?(笑)」
拓弥「は!?なんでだよ!」
晃一「ええやんか。拓弥と二人で飲んでてもなぁ?」
冗談で言ってるのか、本気なのか。
笑いながら言う彼からは、どう読み取ればいいのかわからない。
拓弥「だったら最初っから俺ん家来んなよ(笑)」
晃一「…んなこと言わんといてよぉ」
彼はまた高々と笑って、ビールを口にした。
拓弥「…まぁ、ライバル多いと思うけどね」
晃一「…え、そうなん?」
拓弥「うん。現に海が浮上してるし」
晃一「…やっかいやなぁ」
拓弥「まぁ…俺はとにかく、そういう話が表沙汰にならないように見守っとくわ」
誰が緒川さんを好きとか、付き合ったとか、
もしお客さんの耳にそんな話が入ったら…
今度は緒川さんが事件に巻き込まれるかもしれない。
そうなれば、もうすずらんは“すずらん”でなくなる気がするし、
もう戻れなくなってしまう可能性だってある。
あの事件から半年以上が過ぎた。
さくら……お願いだから、また俺たちに会ってほしい。
また、“さくら”で一緒に笑いたい。
俺は、頭を抱える晃一をよそに、さくらの笑顔を思い浮かべていた。
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まっちゃ(プロフ) - こなたさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけて嬉しいです!ありがとうございます!更新率上げて頑張ります(^-^) (2017年11月4日 22時) (レス) id: 660af00ab9 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - 繭さん» いつもコメントありがとうございます!ついに出ました!笑 楽しんでいただけて嬉しいです(^-^)! (2017年11月4日 22時) (レス) id: 660af00ab9 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - sunpoi5さん» いつもコメントありがとうございます!ありがとうございます!笑 更新率上げて頑張ります! (2017年11月4日 22時) (レス) id: 660af00ab9 (このIDを非表示/違反報告)
こなた - うわぁあぁあ胸が苦しい(´;ω;`)続きが気になります(´;ω;`)次の更新楽しみにしてます! (2017年11月4日 18時) (レス) id: a114777cf8 (このIDを非表示/違反報告)
繭(プロフ) - 出ましたねついに小春ちゃんの本性が!!!!!この後どうなって行くのか本当に楽しみすぎますヽ(´▽`)/♪!!! (2017年11月4日 0時) (レス) id: a47fa469bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まっちゃ | 作成日時:2017年9月26日 18時