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晃一「……何やったっけ」
A「は?」
晃一「まぁええから。とりあえず今日は飲も」
A「話あるって誘ったのはそっちでしょ」
晃一「…コンビニの唐揚げってうまいなぁ」
A「話聞いてます?(笑)」
もはや会話が成り立ってないんだけど(笑)
私の言うことは聞く様子もなく、晃一は美味しそうに唐揚げを頬張っている。
ほんと、食べてる時は生き生きしてるなぁ、この人(笑)
晃一「……あ、祐基とはどうなってん」
A「……」
いきなりの話題に、私は固まった。
“俺、ずっとさくらのことが好きなんだよね”
“もう、ずっと……ずーっと片想い!
みんな、拓弥とさくらの気持ち知ってて、応援ムードだったから…
誰にも言えなかったんだけどね”
さくらさんへの想いを、彼はそう語っていた。
心臓がドクンとなって、少し息苦しくなった。
A「……何もないよ、別に」
どうなった、と言うより
その前に終わったって感じ。
祐基のことで気持ちの整理がつかないまま
あんなことがあったから…
なんかもう頭ごちゃごちゃだ…
視界が少しぼやけてきて、うつむき加減でレモンサワーの缶を触る。
缶は、ほんのり汗をかいていた。
晃一「……ほんまに?」
A「……」
目の前に何があるのか分からなくなるほど、涙が溢れそうだった。
分かってる。これ以上好きになれないって。
だって、さくらさんのことを話す祐基は、
とても嬉しそうだったから…
晃一「ほんまに、何にもなかったん?」
A「……」
私は黙ってうなずいた。
晃一「……じゃあ何で泣いてんの?」
気づいたら、涙が頬を伝っていて、
目の前のレモンサワーがはっきり見えたと思ったらぼやけて、
見えたと思ったらぼやけて…その繰り返しだった。
A「……っ、」
必死に声を殺した。
もう泣いてることはバレているのに、隠したくて。
晃一、今どんな顔してるのかな…
そう思った時、晃一が右手を伸ばしてきて、膝に置いた私の左手をぎゅっと握った。
晃一「……今日は飲みすぎんようにするわ」
きっとこの涙で何があったのか大体わかったんだろう。
晃一は、それ以上何も言わずに、
ビールをまた一口飲んだ。
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まっちゃ(プロフ) - こなたさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけて嬉しいです!ありがとうございます!更新率上げて頑張ります(^-^) (2017年11月4日 22時) (レス) id: 660af00ab9 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - 繭さん» いつもコメントありがとうございます!ついに出ました!笑 楽しんでいただけて嬉しいです(^-^)! (2017年11月4日 22時) (レス) id: 660af00ab9 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - sunpoi5さん» いつもコメントありがとうございます!ありがとうございます!笑 更新率上げて頑張ります! (2017年11月4日 22時) (レス) id: 660af00ab9 (このIDを非表示/違反報告)
こなた - うわぁあぁあ胸が苦しい(´;ω;`)続きが気になります(´;ω;`)次の更新楽しみにしてます! (2017年11月4日 18時) (レス) id: a114777cf8 (このIDを非表示/違反報告)
繭(プロフ) - 出ましたねついに小春ちゃんの本性が!!!!!この後どうなって行くのか本当に楽しみすぎますヽ(´▽`)/♪!!! (2017年11月4日 0時) (レス) id: a47fa469bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まっちゃ | 作成日時:2017年9月26日 18時