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―――――
――――
―――


 


いつものように歌い終わった帰り道。


 
彼を見かけるバス停に寄ってみることにした。


 


ギターケースを横に立てかけ、

ベンチに座って月を眺める。


 


もう一度…


もう一度だけ会いたいな…


 


どこの学校なのかも、名前も知らない彼。


 


私はギターを取り出し、構えた。


 


彼を思い浮かべると、自然とメロディーが浮かんでくる。


 


まだ歌詞はないけれど、思いついたコードと鼻歌で

新しい曲が生まれた。


 


コードを押さえる左手を見る私の視界の端に、

人影が写ったような気がして

私は顔を上げた。


 


A「あ……」


 


まさかとは思ったけど…

彼だった。


 


私が今、特別な感情を抱いている、

名前も知らない人。


 


A「こ…こんばんは」


 


「こんばんは」


 


こんな深夜でも学校帰りらしく、

彼は制服姿だった。


 

そんな制服姿さえ輝いて見える。


 


「あの時の…だよね?」


 


A「あ……あの時はごめんなさい」


 


「それはもういいんだけど…

こんな時間に何してるの?」


 


A「歌った帰り。よく駅前の広場で歌ってるの」


 


「あぁ…えっと…道路上ライブ…ってやつ?」


 


道路上…?


 

今、確かにそう言ったよね?


 


A「あ、あの…路上ライブ…?」


 


「え?…あ、そうそう!それ!」


 


彼はくしゃっと恥ずかしそうに笑って見せた。


 

その笑顔に、私の鼓動は高鳴った。


 


A「……ふふふ(笑)」


 


「え、何?」


 


A「ううん(笑)」


 


彼はキョトンとしていたけれど、

私にはおかしくて、幸せでたまらなかった。


 


「さっき歌ってた曲、良い歌だよね。何て曲なの?」


 


A「まだ決めてないの」


 


「え?自分で作ったの?」


 


A「うん」


 


「へぇ…そりゃすげぇや」


 


A「そう?」


 


褒めてくれた…?


……彼の言葉はストレートで、

素直に嬉しかった。


 
彼は、私の隣に座ってきた。


 

うわ…近い…


 

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まっちゃ(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます!そして作品を読んでいただき、嬉しすぎるお言葉まで( ; ; )ありがとうございます!頑張ります! (2017年8月30日 23時) (レス) id: 660af00ab9 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 今更だけど読ませていただきました!とても素敵な話で鳥肌が立ちました笑おうえんしてます (2017年8月30日 23時) (レス) id: 28408c4a36 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まっちゃ | 作成日時:2016年6月13日 23時

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