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私の目に映ったのは、
確かにあの人だった。
毎晩、イヤホンをしてダンスをしている高校生。
彼は今まさに、広場の前を歩いている。
私は目を離すことが出来ず、
彼を目で追っていた。
美咲「……A?」
やがて彼は、その先の商店街へと消えていった。
……どうしよう。
A「……っ、ごめん!!」
そんなに深く考えることもなく、
私はギターを美咲に渡して、
気づけば走り出していた。
美咲「ちょっと、A!?」
―――――
――――
―――
一心不乱に、
ただただ彼を追い続けた。
こんなに走ったのなんて、
人生で初めてなんじゃないかってくらいだ。
商店街を抜けてしばらく走っていると、
踏切の前で待っている高校生の後ろ姿を見つけた。
きっと彼だ。
それを確認し、また走り出す。
ただ、彼の背中を見つめて。
息を切らして。
彼まであと30mぐらい。
20m…
10m…
すると、踏切の音が鳴り終わり、
遮断機が上がり始めた。
あと…5m…
彼が再び歩き始めた時、
止まろうと思った足が止まらず、
そのまま彼の背中にぶつかった。
ドンッ
「うおっ!?」
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まっちゃ(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます!そして作品を読んでいただき、嬉しすぎるお言葉まで( ; ; )ありがとうございます!頑張ります! (2017年8月30日 23時) (レス) id: 660af00ab9 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 今更だけど読ませていただきました!とても素敵な話で鳥肌が立ちました笑おうえんしてます (2017年8月30日 23時) (レス) id: 28408c4a36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まっちゃ | 作成日時:2016年6月13日 23時