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歌った帰り、私たちは海沿いに来た。
夜の海は、毎晩眺めているはずなのに、
いつもより綺麗に見えるのは、隣にいる彼のおかげかな…
「やっぱさぁ」
私がボーっと海を眺めていると彼が口を開いた。
「将来はメジャーデビューとか考えてたりするの?」
A「将来…」
あんまり深く考えたことなかった。
歌で食べていくなんて、生半可な気持ちじゃできないだろうなって。
そもそも、病気の私に将来はあるのかなって、そう考えたことすらあった。
A「うん…そうなれたら夢みたいだね」
「すごいなぁー。僕も頑張らなきゃ」
彼は遠くを見て言った。
A「ダンス?」
「あ、うん!今よりもっと大きなステージで踊りたいんだー!」
そう夢を語る彼の瞳は、きらきらしていた。
A「そっかぁ。ダンス、上手だよね」
私がそう言うと、彼は驚いたような顔をして、目を丸くした。
「…うっそ!え、ほんと!?ほんとに!?」
A「う、うん…」
私が彼の勢いに圧倒されていると、彼は次の瞬間、顔をくしゃくしゃにして笑った。
「うわっ…超うれしい!!」
さっきまで真ん丸だった大きな目が、一気に細くなる。
私の言葉を、素直に受け入れてくれる。
そんな彼のことを、私は毎分、毎秒、好きになっているんだ。
私が再び海を眺めていると、彼も遠くを見て、ふーっと大きく息を吐いた。
佑亮「福田佑亮です!」
私は隣の彼を見上げた。
彼はぴたっと気をつけをして、なんだか妙に改まっている。
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まっちゃ(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます!そして作品を読んでいただき、嬉しすぎるお言葉まで( ; ; )ありがとうございます!頑張ります! (2017年8月30日 23時) (レス) id: 660af00ab9 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 今更だけど読ませていただきました!とても素敵な話で鳥肌が立ちました笑おうえんしてます (2017年8月30日 23時) (レス) id: 28408c4a36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まっちゃ | 作成日時:2016年6月13日 23時