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一話 出会い ページ1

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朝になると、太陽が昇る。


夜に近づくにつれて太陽は沈んでいき、月が出る。


そうなれば、私の時間。


 


“こんばんは”は、私にとっての“おはよう”で。

家族や友人とは全く真逆の生活を送っている。


 


重たく見える遮光カーテンを開け、

透明のUVカットフィルムを上げて窓を開けると、

夜風がふわっと入ってきた。


 


高台の上にある私の家からは

すぐそこのバス停や、

住宅街、

その先には海も見える。


 


小さい頃から慣れ親しんでいる街。


この景色が、私は大好きだ。


 


軽く伸びをして一階のリビングへ向かうと、

朝食のような夕食が用意されている。


 


母「おはよう。今夜も行くの?」


 
リビングの電話機の近くにある、

処方された日焼け止めクリームを塗っていると

キッチンに立っているお母さんが尋ねてきた。


 


A「うん」


 

父「毎晩歌ってて人集まるのか?」


 

お父さんは、テレビに目を向けたまま聞いてきた。


 

A「うーん…」


 

父「それじゃ意味ないじゃんか」


 

A「別にいいもん、それでも」


 

父「…じゃあ俺らが観に行ってやろうか! ね、母さん」


 

お父さんは、ソファから立ち上がった。


 

A「来たら殺すからね?」


 

父「…はい」


 


寂しそうな父。


 
自分の歌声を聞かれるのすら恥ずかしいのに、


ましてや自分の作った曲を聞かれるなんて。


 

一度だけ観に来られた時もあったけど、


その時は歌ってる途中にギターを置いて、

私がその場で説教したこともあったっけ…


 


母「日の出の時間、分かってる?」


 

A「うーん」


 

母「“うーん”じゃなくて」


 

A「4時40分」


 

母「なら、4時には帰ってくるのよ?」


 

A「はぁーい。いただきます」


 

こうして、私の一日…いや、半日が始まる。


 


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まっちゃ(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます!そして作品を読んでいただき、嬉しすぎるお言葉まで( ; ; )ありがとうございます!頑張ります! (2017年8月30日 23時) (レス) id: 660af00ab9 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 今更だけど読ませていただきました!とても素敵な話で鳥肌が立ちました笑おうえんしてます (2017年8月30日 23時) (レス) id: 28408c4a36 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まっちゃ | 作成日時:2016年6月13日 23時

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