最強二人組 【音駒】

▲泣き虫,30 ページ39

▲泣き虫



部屋に戻ると起きている人がちらほらいる



黒「おー、どこ行ってたんだー？」


『洗面所』


黒「研磨起こしといてくれ」


『自分で起こせば良いじゃん』



布団を片付けながら言う

昨日の事があったのもあるけど
今はなんかやだ
絶対クロわざとだもん
俺が不機嫌になるの避ける為じゃん

もう朝起きた時点で
俺は不機嫌なんですけどねー



黒「お願い！！ほんとに」


『はぁー、分かった』



土下座なんかされたら断れない

絶対わざと

やれやれと思って研磨に近づく
腰を下ろすと
研磨に抱きついた
そのまま起き上がらす



『研磨、おはよう』


孤「クロ、？」



なんで俺がクロになんないといけないの
昨日の事もあり更にイライラが加速する

研磨は俺の肩にすポリと顔を埋めた



『違う、俺、A』


孤「ああ、A、
　 昨日、ごめん」


『何が、？』



いつもより声が
低くなっているのを自覚する

ああ、駄目だわ
研磨に怒ってるみたいじゃん

今の自分が気持ち悪くて、怖い



孤「昨日、のこと、ごめん
　 いつも通り接して欲しい、から」


『ん、あんま気にしてない』


孤「そう、」



するとシャツの袖が
生暖かくなる

じわじわと広がっていっているのが
分かった



孤「A、に、き、嫌われたくない」



なんか昨日の事が研磨の中では
重いものとなっていたみたいで
びっくりする

いや普通からみたらそれ程でもないと思うけど

傷付いたの俺だけだよね
なんで研磨泣いてんの、？



『研磨を嫌う理由にならないし
　特に何もないと思うけど』



研磨の背中を撫でながら言う

すると研磨が顔を上げた



孤「俺、Aの事大好きだから、」


『ん、俺も』



柔らかく微笑んだ
でもその大好きは友達としてのなんだよね

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