闇に呑み込まれて、溺れて【音駒】 (ページ11)

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夜久さんの後を付いていく
私のペースに合わせてくれているようで
ゆっくりとしている

マフィアなのに紳士だ

それにしてもここは広い
私が初めにいたところは地下の応接階で
なんとそこの階全てが来客用らしい
あんなコンクリートだらけの部屋でも来客なんだと思ったけど、
所々にある家具たちは高級そうだった事を思い出した
更にそこの下の階は本物の牢屋とからしい、怖い、
そしてさっきいた会議室は五階でその上は重要な情報室&仕事部屋
そして今いる一階から二階はそれぞれが住むところらしい
上の階の方が権力がある事も
全て夜久さんが説明してくれた

夜「階の説明はまあこれくらいだな！」

『ありがとう御座います』

夜「そんなに固くならなくていいぞ！
　上下関係とかここ関係無いし、」

『なんか、緊張してしまって、』

夜「そうか、まあ慣れない所だし当たり前だな」

そう言って頭を撫でてくれた
お母さんみたいだななんて不覚にも思ってしまう

夜「紬さんって余所余所しいから
　 Aって呼んでいいか？」

『はい！も、勿論です』

夜「じゃあ次はAの部屋なー！」

『はい！』

長い長い廊下
その横にはいくつもの部屋がある

どんだけの豪邸ですか？

廊下をしばらく進むと夜久さんがある部屋の前で止まる
そのドアを見ると紬Aというプレートがかかっていた

用意が早い、

夜「ここだな！はいどうぞ」

そう言って渡されたのは1枚のプレート

昔止まったホテルの鍵に似てるかも、

『これなんですか？』

夜「これはなー部屋の鍵だよ
　自分用に1枚と情報室のところに予備が1枚、
　あとは仕事室の金庫にマスターキーが1枚ある

　それ以外では入れないからくれぐれもなくすなよ〜？」

『あっはい！』

さっきの予想通り本当に鍵で
ドアノブにかざすとピッという音をたてて
ドアの鍵が開く

夜「さあどうぞ、お嬢様、なんてな！」

そうふざけながら夜久さんがドアを開けてくれると
中は赤を中心とした上品な部屋
部屋はとても広くお風呂場やトイレ、キッチンまでついている

『もしかしてですけど、
　これここにある部屋全部がこの部屋の作りと同じなんですか？』

夜「ん？そうだが？」

当たり前のように返す夜久さん、
ちょこっとだけ、ちょっとだけですけどイラッとしました
ここにいる人は結構なお坊ちゃん生活を送ってるらしい

その中にお邪魔出来るのも凄いなと自分を感心してしまった