最強二人組 ーThe secondー 【音駒】

▲茜色の夕日,40 ページ24

▲茜色の夕日



研磨がピコピコとゲームをしている中
俺は研磨に寄りかかりゲーム画面を見ていた

辺りは夕日の色に染まっており、
茜色に包まれる
部活後、電車に揺れているという条件があいまってか
ものすごく眠たい

そんな中俺はふとある事を思い出した



『ねぇ、研磨、』


孤「なに、？」



ゲームの方にあった視線が外れ
俺の方に向く



『今週の土曜って、休みだよね、』


孤「そーだね、珍しいよね」



少し微笑みながら、言葉を返してくれる
研磨はゲームに視線を戻した



『夏祭り行かない？』



研磨はちょっとだけ考えた後
またこちらに視線を向けて答えてくれた



孤「んー、いいよ」


『やった、』


黒「俺のいる前でデートのお誘いしないでくれません？」



と、研磨の隣に座っていたクロが
こちらに視線を向けてニヤニヤと笑っている



孤「あ、いたんだ」


黒「ちょっとぉ？？」


「次は〜、○○駅〜、○○駅で御座います
　お出口は右側となっておりますのでご注意下さい」



放送がなる
次は俺の最寄り駅だ

だから降りなければならない
現代社会は凄いよね、数kmを数分で移動出来るんだから

俺の家の方が研磨達の家よりも学校には近いけど
たった1駅、そんなに離れてはいない
たった1kmだ、駅伝よりも短い

だけど。だけど、そのたった1kmの道より
お隣さんのクロの方が、断然近い
幼馴染っていいよね、
ただの友達では無い、「 特別な存在 」
少なくとも繋がりは途切れにくい関係

キキーッ！と電車が止まる
俺は席を立ち研磨に手を振りながら降りた

少しだけ一人の時間が続く
その時間は空しい

空は何処までも夕日に染まっていて
茜色で染まっていた

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