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「せめて陽の遺品だけでも、仲間と同じ墓に埋葬を__」
ガッ…
司くんが手に何か当たったことに気付き、それ以上言葉を紡ぐことをやめた。
誰かが他に遺品でも埋めたのか…
そう思ったのも束の間、地面から顔を出したメガホンのようなもの。この時代にあるなんてありえない。
司くんがそれを一気に引っ張り出すと、メガホンのようなものから延びている紐が地面を伝い、岩肌を伝い、やがて崖の上から箱とアンテナのようなものが降ってくる。
自分はそれを見て目を見開いた。
(まさかこれは…!!)
「やられた__」
司くんが一言言い残し走り出す。
それに続いて氷月くんと自分もすぐに後を追う。
最後尾を走り、2人にバレないよう冷めやらぬ口元を隠した。
.
奇跡の洞窟の方から歓声が聴こえる。
隣を走っていた氷月くんがスピードをあげると、いち早く自分たちの存在に気付いた羽京くんを槍で突いた。
羽京くんの名前を叫びそうになるのをグッと堪え、何でもない風を装う。
そして目線だけを動かして状況を把握する。
…!!
ああ、なんて……なんて面白いんだ、千空くん。
この
君は期待を裏切らない、いや期待以上!
司帝国はタイムラグどころか、情報が入ってくることすらなかった。それだけでも十分損失は大きいというのに、畳み掛ける先制攻撃。それも奇跡の洞窟を制圧。
正直モノづくりには微塵も興味ないが、千空くんのすることは、こんなにも自分を高揚させてくれる。
なんという所業、なんという男、石神千空。
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誤差(プロフ) - 筒さん» 3周も!ありがとうございます、モチベになります。更新頑張りますね! (5月21日 1時) (レス) id: f2f530ab85 (このIDを非表示/違反報告)
筒 - 更新ありがとうございます、もう3周目ですよ読んだの見事にハマりました (5月20日 19時) (レス) @page38 id: af7729c5ce (このIDを非表示/違反報告)
誤差(プロフ) - 筒さん» コメントありがとうございます。作品に入り込んで頂けたならとても嬉しいです! (5月18日 19時) (レス) id: 7cd90b59c0 (このIDを非表示/違反報告)
筒 - 楽しいぃ、。サイコ- (5月18日 16時) (レス) @page32 id: af7729c5ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:誤差 | 作成日時:2023年5月14日 5時