至上主義者の伽

Z=33 ページ33

統率をとりつつ、石像を順調に復活させていた頃＿＿＿

司くんと共に、今日の復活者たちが拠点へ戻ってきたのだが、なんかうるさいのが1人いる……。


「そこで俺がとっちめてやったわけよ！ドーンッ……て……ん？」


そのうるさい人が自分に気づくと、顔がよく見える距離まで近づいてきた。


「えっ……Aさん！？」

「……(誰だっけ……)………よ、うくん…？」

「そうっすよ！俺、陽くんっす！」


あーーー、いたな。
警察の格闘技大会で優勝してた人。

昔訓練に顔を出したことがあるから、その時の教え子か。といっても自分の方が歳下だが。


「陽とAは、旧世界での知り合いなのかい？」

「そう！そして新世界で再び俺とAさんが出会ったのは必然！運命の赤い糸で結ばれて」
「ごめんねぇ、司くん。陽くんはバカなの。実力は申し分ないけど、格闘技以外で頭を使うのはちょっと…バカなの」

(((2回言った…)))


約2年ぶりの帰国だったのに、まさか日本にいた頃の知り合いの復活者に会うなんて。
あんまり旧世界の話はされたくないんだよねぇ、あの人に怒られ……規則だし。

でも、陽くんのおかげで話を反らせてよかった…
いや陽くんのせいで話を振られたのでは？？


「そんなぁ、申し分ないだなんて褒めすぎですよ〜」


当の本人は、どうやら都合のいい部分しか耳に届いていないようだ。


「……うん、このストーンワールドで知り合いがいるのはいいことだ。起きたばかりでわからないことも多いだろうし、出来ればよくしてあげてくれ」

「……そうだね〜」


わかったとは言ってあげない。

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