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Z=27 ページ27

「少しの間ここを見ていてくれないか?食べるものを採ってくるよ」

「いいよ〜、司くんはここで休んでて。自分が採ってくるから」

「ならお願いするよ」


狩猟をするにはまず動物を探さなければいけないため、いつも食料採集する場所から2人分のキノコや木の実を軽く調達して持っていく。


「ごめんねぇ、狩りは流石に時間かかるから」

「十分だよ、ありがとう」


千空くんと対峙していた時は、とても威圧感があったのに。なんだかなぁ…。


「そんなに見られると落ち着かないよ」


そんなことを考えていると司くんに顔を覗き込まれる。
どうやら横目で見ていたのがバレバレだったらしい。


「対応が紳士というか…3700年前は相当モテたんだろうなぁって」

「あまり考えたことはなかったけど、うん、確かに取り巻きの中にはそういう目で見てくる人もいたね」


話し方が変わったわけでもない。上手く言えないが、雰囲気が柔らかくなったというか…。

ふと、千空くんを殺す直前の台詞を思い出す。

『千空、もしも俺たちが3700年前に出会っていたら、初めての友達になれたのかもしれない』

本当は気を許した相手には、元々こんな振る舞い方だったのだろうか。


「……Aには兄弟はいるのかい?」

「んー、兄のような人が2人」

「兄、か…。やっぱり君は俺の妹に似ているよ」

「もしかしてまた歳下扱いしてる?」

「ははっ、違うよ」


司くんが困ったように眉を下げて笑うのを見て、雰囲気が変わった理由がわかった。


「妹と重ねてたから、そんな優しい目で自分を見てたんだねぇ」

「…!」


司くんは恥ずかしかったのか、手で目を覆うと、何かを飲み込むようにそうかと呟いた。

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誤差(プロフ) - 筒さん» 3周も!ありがとうございます、モチベになります。更新頑張りますね! (5月21日 1時) (レス) id: f2f530ab85 (このIDを非表示/違反報告)
- 更新ありがとうございます、もう3周目ですよ読んだの見事にハマりました (5月20日 19時) (レス) @page38 id: af7729c5ce (このIDを非表示/違反報告)
誤差(プロフ) - 筒さん» コメントありがとうございます。作品に入り込んで頂けたならとても嬉しいです! (5月18日 19時) (レス) id: 7cd90b59c0 (このIDを非表示/違反報告)
- 楽しいぃ、。サイコ- (5月18日 16時) (レス) @page32 id: af7729c5ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:誤差 | 作成日時:2023年5月14日 5時

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