Z=22 ページ22
容赦なく石器を振るった司に唖然とする。
薄っぺらい駆け引きは通用しねぇってことかよ。
「…ちょっと司くん。髪は女の命だよ」
珍しくムッとした顔で、司を咎めるA。
「今更髪なんて気にするのかい？
…駆け引きは無駄だよ、千空。うん、だって君は杠を埋めなかった」
司の言うとおり、最善手は杠を石のままどこか遠くへ埋めてしまうことだった。
そうすれば、今この状況で杠を人質に捕られることもなかっただろうな。
ククク、だがたらればの話をしてもしょうがねぇ。
俺たちにとっては、杠を起こす！それが最善手だった。
「千空、俺の勝ちだ」
「………あはは、助かっちゃったかも。この世界だと髪洗うのとか大変だし。短くなって」
杠は、Aが持っていた石器を自ら首に押し付ける。
予想外の行動だったのか、司は杠に目を見やって次の動向を待つ。
「言っちゃダメだよ、千空くん。復活液のレシピ聞き出さないうちは、司くんは千空くんのこと殺せないんだから」
…ダメだ。
俺がレシピを言わなければ、杠は確実に殺される。
杠だけじゃねえ、次は大樹だ。たとえ他に仲間がいようと、俺にレシピを吐かせるために順に殺していくだろう。拷問にだってかけるかもしれない。
理想の世界のためには、力で統べることも厭わない奴だ。
「……復活液は、硝酸とアルコールの混合液だ」
「！！」
ククク、そんな目で見るな杠。今助けてやっからよ。
「ありがとう、千空。
これで君を生かしておく理由がなくなってしまった」
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誤差(プロフ) - 筒さん» 3周も！ありがとうございます、モチベになります。更新頑張りますね！ (5月21日 1時) (
レス) id: f2f530ab85 (このIDを非表示/違反報告)
筒 - 更新ありがとうございます、もう3周目ですよ読んだの見事にハマりました (5月20日 19時) (レス) @page38 id: af7729c5ce (このIDを非表示/違反報告)
誤差(プロフ) - 筒さん» コメントありがとうございます。作品に入り込んで頂けたならとても嬉しいです！ (5月18日 19時) (レス) id: 7cd90b59c0 (このIDを非表示/違反報告)
筒 - 楽しいぃ、。サイコ- (5月18日 16時) (レス) @page32 id: af7729c5ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：誤差 | 作成日時：2023年5月14日 5時
