Z=20 ページ20
千空達が箱根を目指していることがわかった俺は、Aと急いで後を追っていた。
……俺の走るスピードに着いてくるか。
俺が目覚めた時、Aはすでに千空と1年ほど過ごしていた。
俺は当然起きたばかりで、Aについてほとんど何も知らないが、どうやら千空達もAについてそれほどよくわかっていない様子だった。
走りながら、そういえばと切り出す。
「Aは復活液のレシピを知っているんじゃないかい?それを俺に教えて欲しいんだ」
科学で文明再建されるのは困るため、千空を殺すのは必須だが…共に過ごしていたAなら、復活液のレシピを知っているだろう。
先にレシピを知っておけば、俺は千空を手にかけることなく停戦出来る可能性がある。
俺は千空より優位に立てる。
「ごめんねぇ、復活液のレシピ知らないんだ〜」
嘘をついているような素振りはないが……
「復活液が完成した時、丁度狩りに行ってたんだよね」
「……そうか、なら仕方ない。千空に聞けば問題ないからね」
また、ごめんねぇと間延びした声で謝るA。
その顔は本当に申し訳なさそうにしている。
「……俺が千空を殺すことに不平はない?」
「人間はいつか死ぬよ。千空くんが司くんに殺された時は、そこが千空くんという人間の物語の終結なんだよ」
「君は運命論者なのかい?」
Aは一瞬きょとんとすると、全然?と返した。
「あはっ、運命なんて決まってたら退屈で死んじゃうよ」
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誤差(プロフ) - 筒さん» 3周も!ありがとうございます、モチベになります。更新頑張りますね! (5月21日 1時) (レス) id: f2f530ab85 (このIDを非表示/違反報告)
筒 - 更新ありがとうございます、もう3周目ですよ読んだの見事にハマりました (5月20日 19時) (レス) @page38 id: af7729c5ce (このIDを非表示/違反報告)
誤差(プロフ) - 筒さん» コメントありがとうございます。作品に入り込んで頂けたならとても嬉しいです! (5月18日 19時) (レス) id: 7cd90b59c0 (このIDを非表示/違反報告)
筒 - 楽しいぃ、。サイコ- (5月18日 16時) (レス) @page32 id: af7729c5ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:誤差 | 作成日時:2023年5月14日 5時