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「…は?佐久間?何で?」
「えぇ〜見てて思わない?」
「佐久間なら其れこそ阿部だろ」
「ちっちっち。違うんだなぁ。表情をよく見てみなよ。本人は必死に隠してるけど、俺的には他意あると思うんだよね〜」
既にお酒のせいで顔真っ赤になったふっかは、舌っ足らずに言葉を並べる
「ふっか飲みすぎ」
その横で水を照が飲ませているのが目に入るけど、それ所じゃない
目黒はマークしてたつもりだったけど、佐久間も、?
"えっと…泊まったで。さっくん家"
脳内で康二の言葉が再生される。
「…ふーん」
そんな事を吐けば、グビっと一気にハイボールを喉に流して。少しふわふわする頭で、それでも鳴らないスマホを睨みつけていた
「で、翔太はどーなのさ」
呂律が回っていなくて、見るからに酔っているふっかが俺に話を振る
「何が」
「だーかーら!康二についてだよ。素直じゃねーから好きなのか嫌いなのかイマイチ分かんないんだよねぇ」
好き とか 嫌い とか。
もうそういう次元の話で考えたこと無かった
兎に角自分のものにしておきたくて。
誰にも触れてほしくないってだけ。
好きなのかどうなのかなんて、分かんねーわ
「…好きじゃないよ。」
"あんな人たらし"
その言葉は胸の中で響いていた。
ちらりと前を見れば、質問しといて机に突っ伏しているふっかの姿が目に留まる。
「おまっ、質問しといて…」
「ふっか、此処で寝るな。帰るぞ」
照がふっかの腕を自分の肩にまわして、2人分には多いくらいのお金を机に置けば
「こいつ潰れたから先帰るわ」
とだけ言い残し、お店を後にした。
2人が居なくなって、涼太と2人きりになったこの空間に少しだけ沈黙が流れて
何となく気まづくてお酒をちまちま口にする。
「翔太、康二は俺ではないよ」
「、は?」
その沈黙を破ったのは、未だに涼しい顔をしている涼太で。
「俺達は小さい時から一緒に居るから、多少の事は言わなくても伝わる部分もあると思う。でも、康二には言葉にして伝えてあげないと伝わらないよ」
康二の事について、何も言ってないのに
何で分かるんだろ
何で知ってるんだろ
「何で知ってるの?って顔だね。分かるよ。翔太意外と分かりやすいもん。」
図星をつかれ、視線を逸らす
「でもね、俺にだって分からない亊がある。素直じゃないとこ翔太らしくていいと思うけど、時には素直になって伝えなきゃいけない事もあるよ」
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ぷっちとまぁと(プロフ) - しょっぴー…口ついてるんやから、その美声で語りなさいよ( ; ; )読んでて胸痛いよ…しょっぴぃぃいい!!!でも、さっくんにも幸せになってほしい…(T . T) (9月4日 2時) (レス) @page47 id: 1fbb4a66fd (このIDを非表示/違反報告)
ふうり(プロフ) - たかシゲさん» そうなんですか!?めちゃくちゃ嬉しいです。ありがとうございます☺️こちらからするとその気持ちをそのまま康二に言えばいいんじゃ、、?と思うところもあって、もどかしいですよね💦どうかこれからもよろしくお願いします! (8月9日 1時) (レス) id: 99474a6beb (このIDを非表示/違反報告)
たかシゲ(プロフ) - 初コメント失礼致します!普段あまりコメントしないのですが思わず手が動いてしまうほど良いお話すぎて...どストレートなめめと不器用すぎるしょぴが切なすぎて🥺続きが本当に気になってしょうがないです!!更新頑張ってください!応援してます!! (7月14日 14時) (レス) id: 424c308bc6 (このIDを非表示/違反報告)
ふうり(プロフ) - KSさん» もしかして…更新停止する前からですかね!?ほんとすれ違いすぎて書いてて胸が痛いです、笑 ぜひこれからもこの作品をよろしくお願いします!!コメントありがとうございます!めちゃくちゃ励みになりました (6月22日 21時) (レス) id: 301f678093 (このIDを非表示/違反報告)
KS(プロフ) - 初めまして^^随分前から読ませて頂いております!こじ寄りのなべこじ担です。なんとも切ない展開に頭を抱えているのですが…(笑)2人には遠回りになっても幸せになってもらいたいと切実に願うばかりです(;_;)♡今後のどうなっていくのか楽しみにしております☻ (6月22日 2時) (レス) @page40 id: 870f64adfe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふうり | 作成日時:2022年7月30日 20時