【SERVAMP】少女と吸血鬼の非日常

#29 ページ36

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【 桜哉side 】


貴「ごめんねー桜哉、会長のムチャぶりに答えてもらっちゃってー」

桜「いや、オレは別に平気だけど」

貴「ならよかった」


いや、全然平気じゃない。

真昼たち5人で帰る時はあった。

けど、Aと二人きりは……

……正直、ゼロ。

Aは、自分のことを
『私の女子力？塵だよ！(笑顔)』
って言う。

けど、Aのことが好きな男は、学校内にも結構いる。

オレも、そのうちの1人なわけで。

やっぱり、Aと二人きりとなると、緊張もハンパじゃない。


貴「桜哉？どしたの？」

桜「！？」

貴「一人で百面相してたよ？」

桜「あ、あー！何でもない何でもない！！」

貴「ならいいケド…」

桜「あ、そうだ！」

貴「？」


今が、最大のチャンス。

渡せなかったプレゼントを、渡さなくては。

頑張れ、オレ！！


桜「はい、コレ！」

貴「ん？何これ？」

桜「誕生日プレゼント！」

貴「え？そんなの数ヶ月前に……あ、」

桜「お前、風邪で学校にいなかっただろ」

貴「そーだった忘れてた！ありがと桜哉！
　 中身は…………シュシュ？」


Aに似合うと思って、買ったシュシュ。

買うのすげー苦労したんだぞ！？
(他人の目とか)


貴「つけてみていい？」

桜「おうっ」

貴「ぃよいしょっ、と。どう？」

桜「『どう？』じゃねーよ！グッシャグシャだなオイ！お前そんなに不器用だったか！？」

貴「自分、不器用なもんでして」

桜「あーもう貸せ！オレがつけてやる！」

貴「でk「少なくとも、お前よりはできるはずだ」えーっ」


すいません女子の髪なんて触ったことありません。

綿貫桜哉！今しかチャンスは無いぞ！やるんだ！！


貴「歩きながら「無理」デスヨネー」

桜「……よし、できた！」


と思ったらちょうどA宅。

ナイスタイミングだなオイ。


貴「送ってくれてありがとー！」

桜「お、おう」

貴「んじゃ、また明日！」

桜「じゃあなー」


………。

………。

…どうしよう。

今日は、手を洗えなさそうだ。

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