三代目J Soul Brothers*短編集 4

大切。*º健二郎 ページ19

「でね、それがねっ」






俺はもう、お前のそんな空っぽな笑顔、見たくないんや…









わかってくれ…。








俺の前では無理せんといてや…








「なぁA」








それまで頑張って喋ってたAの言葉を遮って、腕を掴む。






「けん、じろ…？」







「俺の前では、笑顔作らんといて？俺、全部受け止めたいんや。」







俺がそう言うと。






予想外の反応が返ってきた。







「…なんで？」






「え？」






「なんで健二郎は、私のこと突き放さないの!?私、泣いてばっかの重い女だよ!?」








「…突き放すわけないやん。」







「なんで!?」






半ば逆ギレ状態のAを抱き締める。







「そんなん、決まっとるやろ？Aが大切やからやん」







「…健二郎…っ」








…あぁ。






やっと、見れた。







Aの、飾らない素の姿。






なぁ、俺思うんやけどな、「大切」とか、「必要」とか。







ホントに自分にとって「大切」な人に言われたら、泣けるくらいに信じられるんやと思う。






だからもう、一人で抱え込まんといてや…？







俺は、お前のホントに「大切」な存在でありたいから。





*end*

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