古明地さとりの日常 (ページ2)

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いつもはお燐やお空が地獄後の管理をしてくれていた。

しかし、その2人の心の声が聞こえない。

そうなると必然的に地獄後は管理されていない、ということになる。

地獄後が管理されなかったら、そこから火が溢れ地底が焼け、地上にも被害が上るだろう。

そうなったら責任を取るのはさとりだ。

地獄後の管理者となっているさとりが責任を取るのは当たり前で、その罪はとてつもなく重いだろう。

自分がどれ程寝ていたか考えながら、さとりは地霊殿の廊下を急ぐ。

溢れた火を止める程の力などさとりには無い。

お空なら八咫烏の力で止めることが出来るだろうが、生憎さとりはそんな神の力など持っていない。

持っているのは精々心を読む力と嫌われ者の異名だけだ。

いや、旧地獄の管理者、という肩書きも持っているな、と思いつつ、地獄後に続く扉を開ける。

防犯の為に、扉を開けるための鍵を複雑にしていたことに後悔する。

地上の河童に頼んで作らせた扉はとても頑丈だが、地獄の火は流石に耐えきれない。

後で地獄の火に耐えられる扉を頼むか？と、悠長なことを考えつつ、急ぎ足で進む。

たどり着いた地獄後は…

前と変わりがない。

火が溢れるという最悪な事態を免れたということに安堵を抱く。

久し振りに走ったせいで疲れた足に鞭を打ち、自室に戻る。

説教コース行きが2名追加した。

こんな事をやらかすなんて、あの2人も責任感がない。

そう考えながら扉を開ける。

しかし開かない。

どういう事だ？

鍵はちゃんとしている。

なのに…

そんな時、後ろから肩を叩かれた。

振り向くと、大量のペット、そして妹が。

「お誕生日おめでとうっ！」