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部屋について手を洗い、エプロンをとって冷蔵庫を開ける。
それが当たり前にできるのが幸せだった。
「なんか、こんな風にニノとゆっくりすんの久しぶりじゃない？」
「そうだね…最近どっちも忙しかったもんね」
忙しかったから、買い物に行けてなくて冷蔵庫にあんまりものが入っていない。
冷凍しておいたハンバーグを煮込んで…
あとは温野菜のサラダと、バニラアイスがあったからアッフォガードなんかもいいかも。
献立が決まればあとは作るだけ。
…と言っても今夜はかなりの手抜きになりそうだ。
手を動かすオレを相葉さんがカウンターから覗く。
「手際、いいなぁ」
感心したようにつぶやくので笑ってしまった。
「まあねー、元ハウスキーパーですから」
「あひゃひゃ、そっか。プロだもんね」
その言葉に顔を赤くする。
本当のプロには足元にも及ばないけれど、相葉さんにそう言われて悪い気はしなかった。
デミグラスソースとトマト缶、ソースを絶妙な配合で混ぜ合わせて煮込んだハンバーグがいい香りを放つ。
蒸した色とりどりの野菜にドレッシングをかけて、最後に目玉焼きをハンバーグの上に乗せると、綺麗なワンプレートが完成した。
「はいどうぞ、召し上がれ」
久しぶりに二人で食べる夕食だった。
食後にエスプレッソを淹れて。
バニラアイスとともにアッフォガードにして食べる。
溶けていくアイスの甘さと熱いコーヒーの苦味が相まって美味しい。
「ん、美味しい」
「この温度差と味の違いがね…」
言いながらあっという間に平らげてしまった。
食器を下げて洗い物をしていると、突然相葉さんに後ろから抱きしめられた。
背中に熱を感じて、心臓が躍る。
「なに、急に…」
「ん？やっぱり、抱きしめるのは必要だったなと思って…」
その言葉がさっきの会議のことを指しているのは明白だった。
オレがあの曲を作った時、確かにそこに相葉さんを思い描いていた。
手を伸ばすことへの躊躇いと戸惑い。
だけどその中で、差し出した手に掴んだ確かな希望。
そんなものをどうにか表現したかった。
思えばそれは、相葉さんに導かれた俺自身だったのかもしれない。
だからこそ、最後にしっかりとその手に感じたかった。
後ろから感じる鼓動に心を向ける。
流れる水の音と、胸の音がオレを満たす。
「ニノ、好きだよ」
言葉とともに頭に唇が押しつけられて。
振り返ればそこに相葉さんが微笑んでいた。
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LILY(プロフ) - みーこさん» ありがとうございます（≧∇≦）私自身も懐かしく思い出しつつ、いろんな二人に助けられて書きました♪一緒に思い出していただけてうれしいです♪ (2016年7月27日 13時) (
レス) id: dfadfa6def (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - the mansionも超懐かしい。良い作品ですよね、本当に。 (2016年7月26日 12時) (レス) id: 5ae3e13203 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - この二人の空気感、ホント好き。(*´∀`)♪ (2016年7月26日 12時) (レス) id: 5ae3e13203 (このIDを非表示/違反報告)
LILY(プロフ) - ちえさんさん» ちえさん、こんにちは！お祝いありがとうございます（≧∇≦）夏の不思議な恋物語、好きだと言っていただけてとってもうれしいです♪ちょっと雰囲気のあるお話かな、と思っているので。追いかけて羽ばたけた彼の成長もお届けできてよかったです。また機会があればぜひ☆ (2016年6月22日 3時) (レス) id: ec7070c826 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - こんにちは。三周年おめでとうございます(*^-^*)。いつも素敵なお話をありがとうございます！a tale of booksシリーズ、大好きなんです。嬉しかったです。また是非続きをお願いします。 (2016年6月21日 18時) (レス) id: 788fd5506f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：LILY
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/Colorfulstory/
作成日時：2016年6月2日 5時
