縁日の約束【次元大介】 (ページ17)

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拾漆ページ17

「おや、まだ客がいたのかい」

屋台に近づくと
見覚えのない初老の男がのそりと出てきた

「おじさん、もうお祭り終わっちゃいましたよ？」

「みたいだね

いやぁ、景気付けに一杯したら寝過ごしちまった」

「あらまぁ」

呑気に笑い合う二人を横目に視線をずらすと、ふと景品に目をやって息を飲む

━━おい、あの一番上の景品って……

見覚えのあるソレに急いで視線を戻すと、
男は骨ばった手で射的銃を差し出してきた

「一発千円」

「おい、高ぇだろ」

「大人向けの射的なんだ、そんなもんさ」

━━足元見やがって……

ちらりと様子を伺い
Aの視線がこちらにない事を確認すると、

札を受けとる手を掴み、グイッと力任せに引き寄せ耳打ちをする

「……おい

汚ねぇ下町より、綺麗なネーチャンがいる街が良いんじゃなかったのか？」

「ｸｸｸｸ…
いやぁ、おねーちゃんと遊びすぎちまってよ

ちぃとばかり小遣い稼ぎに立ち寄ったのさ」

「指輪(アレ)はいつ盗った？」

「さぁな？」

舌打ちをしながら千円札を押し付けると
いそいそと仕舞い、代わりコルクを箱から取り出す

「一発で良いのかい？」

「誰にモノ言ってやがる」

そう鼻で笑うと、
コルクを受け取り銃口に詰めた＿＿