おはぎのように甘い【不死川実弥】 (ページ11)

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卍谷という女(回想) ページ11

A「お久しぶりでございますお館様」

柱に囲まれながら深々と頭を下げるA

産屋敷「また会えて嬉しいよ A

体の具合はどうかな？」

A「はい
今のところ、鬼の侵食もなく過ごせています」

「それは良かった」と微笑む産屋敷に、Aもまた感謝の笑みで応えた

それに満足したように産屋敷は頷くと、新たな質問をAにぶつけた

産屋敷「新しい生活はどうかな？

急に環境が変わって、色々と大変じゃないかい？」

一瞬 Aの肩がピクリと動くと、
Aは答えを考えるように畳の目を凝視するようにその場に固まった

そんな姿を見て、実弥の頭にふと３つの声が浮かんできた

『良い召し使いになるかもな』
『"最強の下僕"ってな!』

『不死川様! 風柱様!!』

沸き上がる苛立ちに実弥は拳を固く握ると、その時「よしっ！」とAの何か決心したような声が聞こえてきた

実弥が顔を上げると、丁度Aも同じように顔を上げた所で
チラリと実弥の方を見ると、Aは産屋敷のような穏やかな微笑みを見せた

A「お館様、

私は実弥(・・)にとても良くしてもらっています」

実弥「……は？」

普段産屋敷以外からは中々呼ばれなくなった名前に実弥は思わず気の抜けた声を出した

予想外なのは他の柱も同じなのか、残りの八人が驚いたように実弥を見る中
産屋敷だけが嬉しそうに微笑みながら、Aよ次の言葉を待つのだった