寄り添う ページ44
茨木「ほれ」
湯気のたつコーヒーカップを妃に渡すと、茨木は何も言わずにその横に座った
妃はそんな茨木を横目で見ると、黙ってコーヒーを一口飲んだ
妃「……マズ」
茨木「そりゃ、俺が淹れた珈琲だからな」
妃「傷に響く…」
茨木「おーおー、そりゃ好都合だ
生徒の前だかなんだか知らねぇが無理・無茶しやがって
少しは大人しく休みやがれ」
そう言って茨木は妃からコップを預かると、妃の額を軽く小突いてベッドに倒した
妃もまた反抗せず、素直にベッドに横たわるとゴソゴソと体を動かして茨木に背を向けた
そのまましばらくの間黙ったままの二人
始業のチャイムが鳴る頃
その静寂を妃が破った
妃「……悪かった」
茨木「ぁん?」
妃「今回ばかりはお前にも迷惑かけた」
茨木「ケッ、そんな事か
今までのに比べたら屁でもねぇ迷惑だな」
妃「今までは同じ公安の時だったから別にお互い様だろ
でも、今回は……」
言い淀む妃の背を見ながら茨木はやれやれとため息をつくと、その背中めがけて蹴りをお見舞いした
妃「イ"ッ !?
テメ、何を__」
顔をひきつらせて振り向く妃
すると目と鼻の先に茨木の顔があり、思わず言葉を飲み込んだ
茨木「なぁ〜にらしくねぇ事言ってんだ?
つーか、昔ッから言いたかったんだけどよ
お前 俺の事をどう思ってんだ?」
妃「は?」
突然の質問に妃は気の抜けた返事をすると、茨木はさらに顔を寄せ、耳元に付くギリギリの所で言い放った
茨木「お前は仲間にも家族でさえ弱い部分を滅多に見せねぇ
そんな女が俺にだけは頼み事も無茶も言ってくる
……それは、相棒だったからって理由だけだったのかよ?」
妃「それは……」
口を開きかけた妃に茨木はベッドの布団をかけると、そのまま部屋から出ていく
茨木「俺は
まだお前とのコンビを解消したと思ってねぇし
この先、解消する気もねぇ」
膨らんだ布団にそう告げると、茨木はそのまま医務室のドアを閉めたのだった
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和美/美香 - ピスピスさん» いえいえ。いえ、どういたしまして。どういたしまして零君。また新しい作品頑張ってください。完結おめでとうございます。失礼しました。 (2019年11月11日 7時) (レス) id: 1f2c06e01c (このIDを非表示/違反報告)
ピスピス(プロフ) - 和美/美香さん» 和美/美香様☆ お待ちいただきありがとうございました!やっとこさの終了です。和美/美香様にはずっとコメントをいただいて本当に支えていただきました。ありがとうございました!降谷「皆を代表して、和美/美香さん 本当にありがとうございました」 (2019年11月10日 20時) (レス) id: f40ecb7ebb (このIDを非表示/違反報告)
和美/美香 - ピスピスさん» 大丈夫ですよ!11月11日待っています。分かりました、了解です!陣君嬉しそう。研二の馬鹿!恥ずかしいの!ご、ごめん景光。零君、航さん助けて! (2019年11月1日 10時) (レス) id: 1f2c06e01c (このIDを非表示/違反報告)
ピスピス(プロフ) - 和美/美香さん» 和美/美香様☆ お返事、そして更新遅れてしまい申し訳ありません! お知らせで書いたように少しだけお時間をいただくことになりました!待っていただけると幸いです!松田「♪」萩原「な〜に?(笑」景光「なんだ、呼ばれてないんだ(悲」 (2019年10月31日 20時) (レス) id: f40ecb7ebb (このIDを非表示/違反報告)
和美/美香 - ピスピスさん» もういや////好き。研二!!え!そんな。呼んでないよ!読んでないからね景光! (2019年10月29日 16時) (レス) id: 1f2c06e01c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴすぴす | 作成日時:2019年8月18日 12時