best one 【警察学校時代】

影のスナイパー ページ42

景光「『彼女』

………ってことは、俺じゃないんだ」



降谷「！」


妃・茨木「「!!」」




突然、隣のベッドから景光の声が聞こえ
茨木はすぐさまカーテンを大きく開いた



降谷「……ヒロ」



景光「ゼロの様子がおかしかったからさ

先回りして待ってたんだ」




まるでいたずらっ子のように景光は笑いかけると、茨木は驚いたように周囲を見渡した




茨木「先回りって…… 俺と妃(コイツ)は昨夜からいたんだぞ？

お前、いつ潜り込んだんだ！？」




景光「いつって言われても……
ソコにいるボスが入ってきた時に」





妃が驚いて神谷の方を向くと、神谷もまた静かに首を横に振った




神谷「……驚いたな 全く気付かなかった」



神谷の言葉に 茨木は妃の横に立つと
その耳にそっと囁いた



茨木「お前、本当にどういう教育してんだよ？」




妃「……アタシの唯一苦手なのが潜入って忘れたの？」




茨木「言ってみただけだ
……それに、覚えてるからこそ こんなにも驚いてるんだろ」




驚きの表情を隠せない妃と茨木を他所に、景光はベッドから下りると降谷の隣にピタリと立ち止まった





景光「俺達、幼馴染なんです
Aよりも付き合い長い分、連携も協力も捜査の幅が格段に広がりますよ？」



神谷「……だから、彼女よりも自分を選べって事かい？」




神谷に向けて挑戦的な視線を送る景光に 降谷は心配気な視線を送った




降谷「……ヒロ、良いのか？」



景光「ん？」



降谷「ヒロは麻薬取締班(マトリ)が…」




降谷の言葉に吹き出す景光

その肩をガシッと抱くと、いつもの調子で降谷に言った




景光「そんなことか！
ゼロと組めるならこっちの方が楽しそうだと思ってさ

それに、」



降谷「『それに』？」




降谷の反復に景光はまだ癒えていない傷を擦りながら神谷に視線を移した



景光「やられっぱなしは嫌だし

……リベンジ戦 受けてくれますよね？」



神谷「こんなジジイで良ければね

射撃場の無礼はすまなかった
少々本気を出さなければこちらもタダではすみそうもなかったのでね」



景光「……良く言うよ

あの距離で銃弾避けられたのなんか初めてでしたよ」





「お前、ボスに挑んだのかよ…」と茨木が景光に話しかける横で、妃は悔しそうに神谷の顔を睨み付けていた





神谷「……良い生徒を育てたね」




殺意すら感じる視線に神谷は柔らかく微笑むと、余裕を浮かべるのだった

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