plus one 【警察学校時代】

学校祭 (1) ページ22

ｱﾅｳﾝｽ《これより白雪班による発表を始めます》




ﾓﾌﾞ(仮名：田口)「ある時、アリスという女の子がお昼寝をしていました……」





アナウンスの後、ゆっくりと真っ暗な舞台が明かりに照らされていく






A「ｽｰｽｰ」





木のセットに腰かけて眠っているA






ﾓﾌﾞ男A「うおぉ!!白雪さんの寝顔！」


ﾓﾌﾞ男B「やっぱ綺麗だなぁ」






開幕から客席からは野太い男達の歓声が飛び交う






松田「……やっぱりアイツの寝顔から始めるの止めた方が良かったんじゃねぇか？」


萩原「おい、景光
アイツら全員チェックしとけよ？」


景光「もう顔は覚えたよ」




幕の影から顔を覗かせる三人

その後ろで降谷はじっと舞台を見つめながら口を開いた





降谷「……なぁ、A おかしくないか？」




萩原「ん？そういえば……」




景光「まずは『ふわぁあ、良く寝た』だよな？」





段々と歓声が収まる中、それでも微動だにしないA





萩原「あ、伊達」






伊達「ン"ﾝ"!!

あ〜 『アリス？ アリス？』」





伊達の咳払いと大声にAの体がびくりと震え、その大きな瞳が開いた





松田「……アイツ、完全に寝てたな」



萩原「あーあー、ヨダレ拭って……」





アワアワと慌てるAを見ながら、四人は苦笑交じりのため息をつく






A「『だ…… お兄ちゃん!!』」



伊達「ｵｲｵｲ…
『アリス、またそんなところで寝て危ないだろ？』」



A「『お兄ちゃんは心配性だなぁ』」









松田「絶対『伊達』って言いかけたな
……大根役者すぎんだろ」


萩原「完全に棒読みだな」


降谷「台詞とんでいないだけ良いんじゃないか？」





ハラハラと見守る三人

すると、その脇から素早く通りすぎた人影が舞台の光に照らされて笑顔を見せた




景光「さてと！ そろそろ俺の出番だな」






降谷「ヒロ、頑張れ」


松田「程々に頑張れ」




萩原「景光、ルールは覚えてるな？」






最後の萩原の問いに景光は笑顔で親指をたてると明るい舞台へと一歩踏み出した






萩原「さ、ここからが勝負だぜ？」






そう言うと、萩原に加え 松田と降谷はグッと舞台に向ける視線を強めたのだった…







【ルール説明】

・勝負は爆弾処理班組(松田・萩原)作成の
『歓声測定器』による得点争い
※伊達による不正防止チェック済

・勝者はAの最初のエスコート権 獲得

・同点の場合はAに決めさせる

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