その男、係長代理 ページ9
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亜子はチラリと青柳の様子を伺うと、その圧力に後ずさりしそうになるのを堪え名を名乗った。
「──よろしくお願いしまっす!」
意気込んで言ったそれは“よろしく”と言うより“夜露死苦”で。
「…………」
鼻息も鳴っているであろう仁王立ちの亜子を青柳は無表情に見つめている。
……あなたまで無視?!
視線が亜子を貫通する寸前。
もはや立ったまま寝てるんじゃないかと動揺する中、ようやく青柳が口を開いた。
「おう…。───じゃな」
無表情のままそれだけ言って去って行く。
太々しい態度に説教でも飛んでくるのかと覚悟した亜子。
しかし青柳はそれこそ今起きましたとばかりにハッと我にかえると気怠そうにその場を後にしたのだった───
「──小南」
後ろから声を掛けられ振り向いた。
「コバさん!」
「挨拶か、偉いな」
「え? あ、いえいえ…」
恐縮しながら次の言葉を待つ亜子だが、直己は腕を組んで突っ立ったまま。
「………?」
なんだか……
武士の袖から飴を渡された気分……
コバさんってこういうとこあるんだよな〜
口ベタって言うかボスとは違って褒め言葉もスラスラ言えなっ、
「にしても、メンチ切ってたけどな」
見てたぞ?と含み笑いで見下ろされる。
「……………ハ、ハハッ」
てっきりここ最近の捜査姿勢やお茶の淹れ方もろもろ。優しい言葉をかけられると思っていた亜子は瞬時にモジモジを止める。
だが亜子の考えはあながち間違いではなかった──。
「亜嵐は……ただ小南の階級に嫉妬してるだけだ」
えっ…
か、かいきゅう……?
「青柳も。5係に引っ張られて色々大変なんだよきっと。異動早々係長代理を任されて。そのうち力になってくれるさ」
直己は亜子の肩を叩くと、丁度出てきた直人たちと合流した。
今ので3係残ってくれっかな………
剛典から亜子の異動願望について聞いた直己。
直人ですら“まさか”と笑い飛ばす中、居ても立っても居られずこうして駆けつけたのだった。
主任の不器用なフォローには気付かず、亜子は5係について頭を悩ませながらその列に加わった。
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you&i(プロフ) - TRIBE+E-girlsLOVE @Sisterさん» 長らくぶりです( ´ ▽ ` ) ひるなか!それです!スッキリ〜! (2017年11月22日 0時) (レス) id: e7d1acb725 (このIDを非表示/違反報告)
TRIBE+E-girlsLOVE @Sister - 亜嵐が出てた映画って確か永野芽衣ちゃんが主演の『ひるなかの流星』だった気がするけど? (2017年10月26日 19時) (レス) id: 53026d57c3 (このIDを非表示/違反報告)
you&i(プロフ) - TRIBE+E-girlsLOVE @Sisterさん» 捜査かき乱しますね〜(笑) きっと習字の腕だけで上り詰めたんでしょう(笑) (2017年10月25日 19時) (レス) id: e7d1acb725 (このIDを非表示/違反報告)
TRIBE+E-girlsLOVE @Sister - TAKAHIRO くん哲也の話はちゃんと聞こうよwww (2017年10月23日 19時) (レス) id: 53026d57c3 (このIDを非表示/違反報告)
you&i(プロフ) - TRIBE+E-girlsLOVE @Sisterさん» いつもありがとうございます(*ノノ) TAKAHIROとケンチ 板挟みにされる管理官(笑) 頭を抱える姿もきっと素敵でしょうね(*ノノ) (2017年10月22日 0時) (レス) id: e7d1acb725 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:you&i | 作成日時:2017年10月17日 20時