警視庁捜査一課 ▼第3係▼ ２

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自宅に帰ったのは“フリ”で本当は現場に向かったのでは、と言う剛典。

直人は一旦、箸を置く。





「……………よし。


一応聞くけど、どうやって？」







「裏からぴょーんって！」







「よし、ありがとう。………って、バカ！！


ベランダから出るにしたって真裏は民家だぞ？それにアパートなんていつ誰が見てるか分かんない。リスクが高すぎる！何より目撃された時刻から現場まで窪田は5分程度で犯行を終えたことになる。立証できるか！？できねーだろっ！！」







「おぉ〜！噛まずに言えた〜！」
呑気なエリーと亜子の拍手にはドヤ顔だが、剛典の「っすよね〜」には思わず頭を抱え込む。


しかし剛典の一言に、亜子は中々焼けないホルモンから意識を手放した。




「───阿谷殺害当日、布川は1時間以上残業しています」




トング片手に手帳を広げる亜子。剛典はトングだけを引き抜くと一緒になって覗き込む。




「最後に事務所を後にしたのが布川。その前に退勤した職員から数えて約1時間なので、現場まで徒歩20分と考えると15分の犯行時間は十分疑う余地がありますよね？」


「……残業してへんかったって事か？」




味噌の惨状を片付けた健二郎は直人と一緒になって身を乗り出す。しかしそれを剛典が遮った。


亜子の目の前を掠め、直己、エリー、亜子で囲む網枠にトングを置くとまたも笑い飛ばすように言う。




「いやいやっ、裏口に映ってたんだろ？
退出に正面玄関は使わないって言うし…どうやって出んだよ」




気を取り直して特上に舌鼓をうつ剛典はモグモグと隣りの亜子を見る。




「………」


「………」




目で訴える亜子に何かを読み取った剛典は、正面の健二郎と目を合わせた。




「……？ ……ッ！！


………おい、お前まさか…」


「ベランダ！？」




健二郎たちの言葉にコクンと頷く亜子。その瞬間一斉に顔の前で手を振り否定する2人。直己が改めて聞き返す。







「小南……、本気で言ってんのか？」








「……………ハイ、結構。」








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