警視庁捜査一課 ▼第3係▼ ２

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「近くの薬局に設置された防犯カメラの映像です」




ある一コマを切り取った写真には威嚇し合う須和と吉瀬の姿があった。日付はこの連続殺人が起こる以前のもの。




「面識があるのか？」




直人の問いに答えたのは近くに座っていた青柳。


彼ら5係は多数の目撃証言から引き続き吉瀬の聴取を担当している。




「吉瀬の話では

須和が事ある毎にいちゃもんをつけてきて数回の面識はあるそうですが名前も知らないみたいです」




須和のオフィスは吉瀬の行動範囲にあった。




「吉瀬のことだ。
売られた喧嘩は律儀に買ってたんだろ」




変装する吉瀬の目撃証言があるものの、本人がそれを否定しているため皆が頭を悩ます──。







「児相はどうだった」




直人のそれに隆二が“ハッカー”と“ストーカー”には疑いがない事を伝えると、窪田と布川について答える。




「2人とも施設で育っており、窪田にはぞんざいに扱われた過去があります。動機はありますが児童との面識は少なくアリバイの裏も取れてます



布川については児童との面識があり2件にアリバイがありませんが、阿谷の亡くなった日に関して19時42分に事務所の裏口から帰宅する姿が確認できました」



「……アリバイあるんじゃ、また振り出しっすね…」




腕を組み考え込む剛典。亜子が続ける。




「布川は消化器系の病で早退することがあるそうです。2人の担当は心理カウンセリングで窪田はその補佐として布川をかなり慕っている様子でした。


ですが……


言動から見ても、とても殺人を犯すような人間とは思えません！」




2人とも人の良さそうな方でした！と亜子。




「アホ！そりゃ人殺しそうな顔て分かったら警察いらんわ！」


これやからあまちゃんは…



新人の先入観に健二郎は今回の教育係りを睨みつける。おまえの教育どうなってんねん、と。


隆二は苦笑いでこめかみを掻くしかない。




「まあまあ…。

それにしても事情を知る相談所が3件共に絡んでるのは偶然にしては出来すぎてるよな…」




考え渋る直人に直己がポツリと零す。




「共犯、ですかね────」




まるで考えていなかった亜子は驚きを露わにする。それは皆も同じで。




直人は該当する相談所職員を窪田と布川に絞り、張り込みを指示した───。







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