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帰り道 ページ13

今日はみんな電車で来ていたらしく、ご飯を食べ終わるとドンさん、鉄塔さん、ひろたかくんは改札へと向かって行った。

私も定期圏内であるため電車で帰ろうとしたが、

「危ないから家近いぺーさんに送ってもらって!」

と3人が言って聞かないので、私は今ぺーさんと2人残されて少し気まずい状況である。


ぺ「…家、どの辺なの?」
「え…あ、隣の△△駅の手前だよ」
ぺ「そっか」

それだけ聞くとぺーさんは黙って歩き出したので、私もついて行った。
でも前のように突き放されてる感じはなく、会社ではスタスタ歩いているのに今は私に合わせてくれている気がする。


ぺーさん、ほんとは優しい人なんだなぁ…


それがここ数日で思ったこと。
つい最近まで抱いていた冷たいというイメージはもうなくなっていた。

ぺ「今日さ…楽しかった?」

ぺーさんは突然こちらを見て私にそう聞いた。

「もちろん、すっごく楽しかったよ。みんなほんと上手いね!」
ぺ「日高もすげぇ上手かった。正直びっくりした。」
「ほんと?ありがとう!」

私はつい笑顔になってしまう。あれだけ上手いぺーさんに褒めてもらえるのはとても嬉しいことだ。

ふとぺーさんを見ると、彼も今まで見たことがないくらいの優しい顔で笑っていた。


そんな彼の笑顔にドキッとしてしまった。

…あれ?なにこの気持ち。


ぺ「どうした?」

声をかけられて顔を上げると、いつもと同じ表情の彼。

「ご、ごめん、何でもないよ」

慌ててそう答えると、そう、と言ってまた歩き出す。

そうこうしているうちに家に辿り着く。

「あ、ぺーさん、私家そこだから…」

マンションの自分の階を指さしながら声をかけるとぺーさんが振り返る。

ぺ「ん。…じゃあ、また月曜。戸締まりちゃんとしなよ。」

彼はそう言うと、私がまだお礼を言わないうちに来た道を戻ろうとしたため慌てて声をかける。

「あっ…あの、送ってくれてありがとう!」

彼は振り返ることも歩きを止めることもせず、ただ片手をヒラヒラと振って帰っていった。


私は自分の部屋に戻ると玄関に座り込む。ぺーさんの笑顔が頭から離れない。ちょっと優しい一面を見ただけでドキッとしてしまうなんて…

何をしてもぺーさんのことが頭に浮かんでしまい、その日はなかなか寝つけなかった。

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苺。(プロフ) - シゲマスパーナさん» コメントと応援ありがとうございます!楽しんでいただけると幸いです。不定期更新となりますが頑張ります( ´ω` ) (2018年8月20日 23時) (レス) id: bced30bcc8 (このIDを非表示/違反報告)
シゲマスパーナ(プロフ) - ぺーさんのお話すごく嬉しいです。更新頑張ってくださいね♪ (2018年8月20日 18時) (レス) id: 4044e3cce4 (このIDを非表示/違反報告)
苺。(プロフ) - はくや。さん» はくやさんはじめまして、コメントと嬉しいお言葉をいただきありがとうございます。ピンクさんらしさを上手く表現できるよう心がけているので有難いです!これからも更新頑張りますね! (2018年8月16日 10時) (レス) id: bced30bcc8 (このIDを非表示/違反報告)
はくや。(プロフ) - 苺さん初めまして!ぴんくさんの新作嬉しいです!不器用な姿がとても好きなので更新が待ち遠しいです( ´ ▽ ` )他の作品も大好きので制作頑張って下さい!楽しみにしております~! (2018年8月16日 2時) (レス) id: 96ac7b0fa3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shiro | 作成日時:2018年8月9日 0時

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