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42、流れる雲は掴めない ページ42






仰向けに寝転がったまま、しばらく雲を観察した。

手を伸ばしても掴めない事がわかった。


「何してるんですか。」と声をかけられたと同時に視界に映る七海の顔。




『生存率上げしてたとこ。』

「上がりましたか?」

『逃げる方なら爆上がりだよ。
……私が汚いのは重々承知で言うけど嫌じゃなければ手を貸してほしいです。』




七海に手を貸してもらい、地面に足を付いた。

体が重いし汗臭い。




『今日はもう仕事終わり?』

「終わりです。アナタが面白い事してるから見てこいと五条さんに言われて。」

『…笑いに来たのね、どうぞ笑ってよ。』




まあ嫌味とか言う人じゃない事わかってたよ。
無言で優しく微笑まれた。


そのまま一緒に医務室へ戻った。

ドロドロ過ぎて家入さんにドン引きされた。


とりあえず寮でシャワーを浴びて着替えて再び医務室へ。



「楽しかった?」

『…疲れました。』




七海も同じ事を学生時代にやられてたらしい。
しかも相手は五条さん。容赦無さそう。




「朝から働いてんのによく動けるね。私はもう走れないや。」

『走るのは得意だと思います…前の会社は激務で終電間に合わすためにヒールで走ってましたから。』




ヒールで走った成果が脹脛(ふくらはぎ)の筋肉に出てる。
しっかりついたそれは今も健在。


疲れていた体もすっかりと癒えた。




「さ、もう帰んなよ。」




家入さんに挨拶をして、2人で高専を出た。

七海が家まで送ってくれると言うので言葉に甘えて助手席に乗った。

ちなみに車移動は楽チンで大好き。




『送ってくれてありがとう。上がっていく?』

「いえ、帰ります。」

『そっか。また明日ね。』




マンションまで送ってもらって車を降りようとした。

名前を呼ばれて七海の方を見ると、優しく頭を撫でられた。手の温かさがじんわりと心地良い。




「最近よく頑張ってる姿を見ます。しっかり休んでください。」

『…変なの。クソ会社の時はそんな事一言も言ってくれなかったのに。』




むしろ名前すら全然呼んでくれなかったのに。
最近ちゃんと名前で呼んでくれることが増えたような……。




『七海もいつも頑張ってて偉いね。ちゃんと休んでね。』




同じように頭に手を置くとビックリしたような表情の後、少し顔を赤くした。



……うっそ照れてる?




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さしす - とっても面白い!! 続きがきになる〜! 応援してます! (2022年5月26日 9時) (レス) @page49 id: 9bbdd85770 (このIDを非表示/違反報告)
- 作り込みエグいですね!いいなー! (2022年2月20日 14時) (レス) @page33 id: d826e852a9 (このIDを非表示/違反報告)
くまこ(プロフ) - emiさん» そう言ってもらえてすごく嬉しいです!ありがとうございます。もうすぐ続編へと移行しますが、そちらでもどうぞよろしくお願いします! (2021年9月25日 11時) (レス) id: 1b6f6e5afa (このIDを非表示/違反報告)
emi(プロフ) - このお話の雰囲気最高に好きです…七海と夢主ちゃんとの距離感も自然で素敵、時間がゆっくり流れてる感じがして読んでいると心が癒されます…お身体に無理のないよう更新されてください!楽しみにしております! (2021年9月25日 0時) (レス) @page43 id: 9ba5ed02ee (このIDを非表示/違反報告)
くまこ(プロフ) - ぬぬ@とかげさん» コメントありがとうございます! (2021年9月15日 16時) (レス) id: 7ddd39ac99 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くまこ | 作成日時:2021年8月27日 14時

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