32、ドラマのような展開 ページ32
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飛行機が離陸して30分ぐらい経った。
夜だし真っ暗で何も見えない。
「…今の気付きましたか?」
『え?』
「
『また?ずっと大きくなってるってこと?』
「機体が安定したら様子を見てきます。」
呪霊の気配とかなにも感じない。
その辺パンピーと同じなんだろうか。
その時、「体調不良のお客様がいます。医師か看護師はいませんか」とアナウンスが流れた。
こんなドラマみたいなことって本当にあるんだな。
「行かないんですか。」
『無理でしょ。一般人相手になんの経験もないって。』
「すみません、この人看護師です。」
横を通りかかったCAさんに七海がそう言った。
馬鹿野郎、恨むぞ。
CAさんに連れて行かれたのはさっきの男の子の席だった。
隣で両親が心配そうに見ている。
どう見ても顔色が悪い男の子。
「急にお腹が痛くなったみたいで、トイレでもないし……」
『そうなんですね。』
飛行機乗る時は手のひらサイズだった呪霊が中型犬ぐらいのサイズになっていた。
呪力を込めて触れてみる。
でもギロリとこちらを睨むだけで祓えなかった。
『ねぇ七海ー!カバン取ってー!』
自然な感じで七海に来てもらうために、恥ずかしいけど馬鹿でかい声で呼ぶしかなくて、周囲の視線が集まる。
「もう少し静かに呼んでもらえますか。」
『ごめん、』
私が祓えなかった事を察してほしい。
カバンを手渡してもらう時に七海は自然な感じでその呪霊を祓った。
心配しなくても状況を判断できる男だった。
「後は任せます」と言い七海は席へ戻って行った。
『飛行機は初めて?』
「うん。」
『そっか、緊張したんだね。』
聴診器を当てて診察するように見せて反転術式で治療する。
少しずつ顔色も良くなって、冷や汗も止まった。
『もう大丈夫そうだね。』
「なんか痛くなくなった!お姉さんありがとう!」
『医者では無いので断言できませんが、恐らく緊張からくる腹痛だと思います。まだ痛むようなら病院へ行ってくださいね。』
「ありがとうございます!」
本当は呪霊が付いていた、と言いたいところだけどそんなこと言えないからね。それっぽい事を適当に言ってしまった。
『七海さっきはありがとう。』
「気になっていたので丁度良かったです。」
あーーそれにしてもお腹空いたなぁ。
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さしす - とっても面白い!! 続きがきになる〜! 応援してます! (2022年5月26日 9時) (レス) @page49 id: 9bbdd85770 (このIDを非表示/違反報告)
森 - 作り込みエグいですね!いいなー! (2022年2月20日 14時) (レス) @page33 id: d826e852a9 (このIDを非表示/違反報告)
くまこ(プロフ) - emiさん» そう言ってもらえてすごく嬉しいです!ありがとうございます。もうすぐ続編へと移行しますが、そちらでもどうぞよろしくお願いします! (2021年9月25日 11時) (レス) id: 1b6f6e5afa (このIDを非表示/違反報告)
emi(プロフ) - このお話の雰囲気最高に好きです…七海と夢主ちゃんとの距離感も自然で素敵、時間がゆっくり流れてる感じがして読んでいると心が癒されます…お身体に無理のないよう更新されてください!楽しみにしております! (2021年9月25日 0時) (レス) @page43 id: 9ba5ed02ee (このIDを非表示/違反報告)
くまこ(プロフ) - ぬぬ@とかげさん» コメントありがとうございます! (2021年9月15日 16時) (レス) id: 7ddd39ac99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くまこ | 作成日時:2021年8月27日 14時