言えない言葉 ページ10
レセプションパーティーの後、ホテルのバー。
「ごめんなさい」
「え？」
「わたし、ギジュンさんのお気持ちにはお答えできません。
すみません、気をもたせるようなことしてしまって……」
「ちょっと待って、僕は返事は急がないと言ったはずだよ？」
「でも！ダメなんです」
これ以上迷惑はかけられない…
「以前、ギジュンさん、わたしに聞きましたよね。
ドンヘの事好きなのかって」
ギジュンさんは、黙って頷いた。
「きっともうわかってらっしゃると思いますけど、わたし…
好きなんです。もうずっと…」
ぽつり、ぽつりと話す。
ドンヘとわたしの、今までの話。
ギジュンさんは、ただ黙って、聞いてくれて。
「ちゃんと、向き合おうって思ったんです。ギジュンさんにも…ドンヘにも…」
だけど、遅すぎた…
「彼はもう…別の道を歩き出しているみたいです」
私だけが、前にも後ろにも進めなくて、立ち尽くしている…
さっき見た、ドンへとユナの寄り添う姿が頭をよぎり、
またわたしの涙腺を崩壊させる。
「だったらゆっくり考えてくれないかな？」
「ごめんなさい…わたしきっと、これからもドンヘしか愛せない」
ギジュンさんは、それでも構わないと言った。
わたしは、ただただ、謝り続けるしかなかった。
マンションに戻ったのは深夜だった。
疲れた…
着ている服も、いつもより派手めのメイクも、
身体から剥がす気力も残っていない。
疲れた身体を投げ出すように、ベッドへダイブする。
考えちゃダメ。思い出しちゃダメ。
そう思って目を瞑っても、ドンヘとユナちゃんの姿が
瞼の裏に焼き付いて離れない。
瞑った瞼を押して、涙が後から後から溢れてくる。
何で、あの時違うなんて言ってしまったんだろう。
ドンヘは精一杯の本音をぶつけてくれたのに。
自分を誤魔化して、それでも守りたかったものって…
「ドンヘ…」
愛しい人の名前を呟いてみる。
ドンヘ…好きよりもっと好き。
でも、もう言えない言葉…
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さくらこ(プロフ) - ごんごんさん» ごんごんさん、コメントありがとうございます！半年以上前に書いたお話を読んでいただいて、その上コメントまでいただけるなんて嬉しいです。つらいお話ではありますが、読み終わったあとは、きっと幸せな気持ちになってもらえると思います( ´ ▽ ` ) (2013年11月10日 12時) (
レス) id: a388da78b1 (このIDを非表示/違反報告)
ごんごん(プロフ) - 涙が出て来て… 止まりません (2013年11月10日 8時) (レス) id: 3fe715c8fc (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - 裏琉さん、ありがとうございます^ ^ (2013年2月27日 15時) (レス) id: a388da78b1 (このIDを非表示/違反報告)
°+裏琉+°(プロフ) - はい！最後まで読みます！！w (2013年2月27日 15時) (レス) id: e11767803f (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - 裏琉さん、コメントありがとうございます！私も、同じ気持ちです。ぜひ、最後まで読んでいただけると嬉しいです！ (2013年2月27日 15時) (レス) id: a388da78b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらこ
| 作者ホームページ：http://id41.fm-p.jp/390/cherryhae15/
作成日時：2013年2月24日 19時
