238.華の金曜日 ページ28
デコピンされたおでこは未だにヒリヒリ痛む。
あれからもう何時間も経ってるのにこの無駄な効力は何なのか。
痛いんですけど！って気持ちを込めてパソコンと向き合う和也くんをジトーっと睨む。
でもそんなものは秒で気付かれて、結局私が萎縮して終了。
この不毛な戦いはこれが最初で最後だった。
そんな私たちに気付いた相葉くんは「イチャイチャしないの！め！」って茶化してくる。
でもそんな相葉くんに松本さんは気が付かない筈もなく、それも結局相葉くんが萎縮して終了。
同じ末路辿ってどうすんだ。
「Aちゃん」
さあ、気を取り直して仕事しよう。
そう心の中で意気込んでいた私の元にやって来たのは櫻井さん。
「はい？」
「今日って時間、大丈夫？」
「大丈夫ですけど...何かありました？」
「新しく広告を作るように上から頼まれたんだけど、もし良かったらAちゃんもやってみない？って専務が」
「突然なんだけど...」って眉を八の字にさせる櫻井さん。
心底申し訳なさそうな表情の櫻井さんだけど、このお話は私にとってプラスになる他ない。
つまり、断る理由がない。
「私にもやらせてください！」
「...本当に？」
「はい！」
「華金だけど...大丈夫なの？」
「華金なんてクソくらえです！」
一歩間違えたら鼻息が荒くなるくらいの勢いで前のめりになっている私に若干引いている櫻井さんだけど、そんなものは気にしちゃいられない。
こんなにありがたいお話なんて早々ない。
「あはは！よし、じゃあ、今日は残業コースで頑張ろうね」
微笑む櫻井さんと十分すぎるほど意気込む私。
その足で給湯室に向かってマグカップを洗いに行った。
気分は上々だ。
ヘェイ！DJ！だ。
「残業コースの高本さん」
「うぎゃ！」
「最近のお前のその変な声はなんなの？」ってケラケラ笑っているのは言うまでもなく和也くん。
給湯室の入口の壁に右肩を寄りかからせているその姿は非常に画になる。
かっこ...じゃなくて。
「...どうか、しました？」
「うん、どうかした、お前が」
「はい？」
ちょっと...何言ってるか分かんないっす。
「いや、ね？お仕事だから仕方ないのは当たり前だけど...」
「......」
「あんなに躊躇いもなかったらワタシ...自信なくしちゃうわ」
ちょっと...何言ってるか分かんないっす。
「今日は世で言う華金でしょ？」
「...はい」
「今夜うちに来るよーって」
ちょっと...何言ってるか...あ、分かったっす。
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早咲(プロフ) - あさみさん» 長ったらしいお話にお付き合い頂き、本当にありがとうございました★私もシリアスな場面を書くときはハラハラしてました(笑)本当にありがとうございました！ (2018年3月25日 17時) (
レス) id: e21b3fe696 (このIDを非表示/違反報告)
あさみ(プロフ) - 完結おめでとうございます。最初から読ませてもらってました。途中の試練でいつもハラハラしてましたが最後は幸せに戻れて嬉しい気持ちでいっぱいです。二宮さんの主人公ちゃんへの気持ちが大好きでした。 (2018年3月24日 21時) (レス) id: 5ffc9374f6 (このIDを非表示/違反報告)
早咲(プロフ) - keiさん» アドバラに登場する恋敵はみんな癖が強すぎましたね(笑)書いてる私も病んじゃいそうでした(^◇^;)二宮くんに関してはもう言うことなしですよね(笑)完結までお付き合い頂き、本当にありがとうございました★ (2018年3月24日 18時) (レス) id: e21b3fe696 (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - 完結おつかれさまでした(*^^*)華ちゃんにもなかなか手こずりましたけど、今回のもっちーは強敵でしたね。歪んだ愛情？って怖い！そんな中、和くんは見守ってくれてたんですね。よかった〜(T0T)さすが心に大皿をもってらっしゃる(笑)幸せなラストありがとうございます！ (2018年3月24日 8時) (レス) id: 6133f4f2c1 (このIDを非表示/違反報告)
早咲(プロフ) - ぐちこさん» 最後までドキドキハラハラが止まらないようなお話の展開で本当に申し訳なかったです(^◇^;)完結までお付き合い頂き、ありがとうございました★ (2018年3月23日 16時) (レス) id: e21b3fe696 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早咲
| 作成日時：2018年1月22日 18時
