236.いつもの朝 ページ26
パチリとオフィスの電気をつける。
そこにはやっぱり私以外に誰も居ない。
ここまで来ると『毎朝一番に出社しているで賞』みたいなものが欲しい。
「...おはようございます」
そんなどうでもいい事を考えながら、一応挨拶を零すように言った。
声を張ったところで、誰も聞いてないし、そもそも人が居ない。
いつものように、コーヒーメーカーをセットして、今日使う筈の資料のチェックやら会議室の準備やらに取り掛かる。
そうしているうちに平均的な出社時間が近付いてきて、社員もまばらに増えてくる。
「相変わらず今日も早いなぁ」
「あ、櫻井さん。おはようございます」
「うん、おはよう」
私の少し上から聞こえてきたのは櫻井さんの声。
そんな事を言っている櫻井さんだけど、彼もなかなかに早く出社して仕事に備えている社員の一人。
「相葉くんと一緒に来た筈なんだけど...あいつ遅くね？」
「え？一緒に来たんですよね？」
「いや、それがさ。社員証翳す所あんじゃん？あそこであいつだけ何回やってもエラー出てさ」
「相葉くんだけ？」
「そう。あんまり遅いから置いてきた、んだけど...遅すぎない？」
二人で広報部の出入口の先にある廊下を見つめる。
ジーッとただただ見つめるだけ。
暫くそうしていると、姿は見えないけど「もー意味分かんないんだけど！」って声が廊下を曲がった方から聞こえてくる。
櫻井さんと顔を合わせる。
多分、いや絶対、考えている事は同じ。
「おはようござ、あ、Aちゃん！ちょっと聞いて！」
やっぱり。
声の主は考えずとも、相葉くん。
せめて挨拶は最後まで言ってください。
「オレの社員証がおかしいのかな？あのね...」
「あれはエラーしすぎだろ」
「うわ、松本さん」
「うわって何だよオラ」って相葉くんを睨みつける松本さん。
いや、松本さん瞳孔開いてるんですけど。
それからそのまま私に話す間もなく松本さんに連れていかれてしまった相葉くん。
そういえば相葉くん、昨日松本さんにお説教されてた途中で色々あって離脱したらしいから、今日こそ本当にマズい事になるんだろう。
「いやぁ...微笑ましいねぇ」
突然聞こえてきたその声に肩をビクつかせて振り返ると、そこには遠い目で相葉くんと松本さんを見ている智さんが居た。
一体あの状況のどの辺りが微笑ましいのかを具体的に説明してほしい。
「すっごいね、Aちゃん。肩ビクビクしてた、ふふ」
ストンと私の肩に智さんの手が触れた。
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早咲(プロフ) - あさみさん» 長ったらしいお話にお付き合い頂き、本当にありがとうございました★私もシリアスな場面を書くときはハラハラしてました(笑)本当にありがとうございました！ (2018年3月25日 17時) (
レス) id: e21b3fe696 (このIDを非表示/違反報告)
あさみ(プロフ) - 完結おめでとうございます。最初から読ませてもらってました。途中の試練でいつもハラハラしてましたが最後は幸せに戻れて嬉しい気持ちでいっぱいです。二宮さんの主人公ちゃんへの気持ちが大好きでした。 (2018年3月24日 21時) (レス) id: 5ffc9374f6 (このIDを非表示/違反報告)
早咲(プロフ) - keiさん» アドバラに登場する恋敵はみんな癖が強すぎましたね(笑)書いてる私も病んじゃいそうでした(^◇^;)二宮くんに関してはもう言うことなしですよね(笑)完結までお付き合い頂き、本当にありがとうございました★ (2018年3月24日 18時) (レス) id: e21b3fe696 (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - 完結おつかれさまでした(*^^*)華ちゃんにもなかなか手こずりましたけど、今回のもっちーは強敵でしたね。歪んだ愛情？って怖い！そんな中、和くんは見守ってくれてたんですね。よかった〜(T0T)さすが心に大皿をもってらっしゃる(笑)幸せなラストありがとうございます！ (2018年3月24日 8時) (レス) id: 6133f4f2c1 (このIDを非表示/違反報告)
早咲(プロフ) - ぐちこさん» 最後までドキドキハラハラが止まらないようなお話の展開で本当に申し訳なかったです(^◇^;)完結までお付き合い頂き、ありがとうございました★ (2018年3月23日 16時) (レス) id: e21b3fe696 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早咲
| 作成日時：2018年1月22日 18時
