158.距離 ページ8
『...好きだよ』
二宮さんのその声と言葉が、あり得ない程に頭の中を何周も何周も駆け巡る。
だって、まさかそんな。
二宮さんが私を好き？
わたしを？すき？
...いやいや、あり得ない。
根拠なんてない。
でも、本っ当にあり得ない。
だって、好きなのは私だけだもん。
想ってるのは、私だけだもん。
二宮さんにとって私は、ただの部下なんだから。
「...何、言ってるんですか...」
「好き、って言ってる」
「......」
「え？聞こえてる？」
聞こえていない訳がない。
二宮さんの声を聞き逃した事なんて一度もない。
これは何？
幻聴？もしくは、幻覚？
都合の良い妄想？あ、夢？
試しに右頬を抓った。
加減が分からなくて、痛かった。
「夢じゃない。現実だよ？」
頬を抓る私の思考が分かったのか、クスっと笑いながら、抓っていた私の右手を掴んで頬から離す二宮さん。
「オレは、高本の事が好き」
改めて言われたその言葉を聞いて、視界がぼやけてくる。
それからすぐに、涙は零れる。
「私だって...ずっと、二宮さんの事が好きです...」
戸惑いながらもそう言うと二宮さんは、ンフフ、って笑って言った。
「...その言葉。ずっと待ってた」
それから、また一歩近付いてきて、私たちの距離はなくなって。
気が付いた頃には、お互いの唇が触れ合っていた。
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早咲(プロフ) - 吉沢さん» 大好きと言って頂けて本当に嬉しい限りです！ノロマ更新ではありますが、これからもよろしくお願い致します★ (2017年2月28日 20時) (
レス) id: e21b3fe696 (このIDを非表示/違反報告)
吉沢 - この、作品大好きです。 これからも頑張ってください! (2017年2月24日 8時) (レス) id: f6e11fac32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早咲
| 作成日時：2017年2月19日 23時
