154.飛び跳ねた。 ページ4
どこから入り込んだのか分からない風が、フワリと頬を撫でた。
この状況...二宮さんに後ろから抱きしめられている状況に頭が追い付かなくて、何をする事も出来ないでいる。
ただ、心臓がうるさく鼓動していることしか、理解が出来ない。
「高本...まだ帰んないで？」
耳元に響く二宮さんの小さな声が余計に私の心を燻る。
「...オレにも喋らせてよ」
そう言いながら、私に向かって伸ばしていた腕を解いて、今度は私の肩を掴んだ二宮さんは私と向かい合わせにした。
二宮さんの綺麗で淀みのない瞳が私を見つめる。
「あ、の...二宮さ...」
「...良いの？」
「え...？」
二宮さんの言葉の意味が分からなくて、思わず首を傾げた。
すると二宮さんは、少しの苦笑いをして言った。
「その...自惚れても、良いわけ？」
それだけ言って、ガシガシと頭を掻く二宮さん。
...伝わらない。
二宮さんの言いたい事が、全くもって私に伝わってこない。
私が鈍感なのかもしれないけど。
「自惚れ...？」
「...あ。伝わってない、感じ？」
「す、すいません...」
そう吃りながら謝ると、さっきまでの張り詰めたような空気が崩れて、一気に緩くなって。
二宮さんが、アハ！って笑った。
「高本は、純粋なんだね？」
そう言って微笑んだから。
私の心臓は、また飛び跳ねた。
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早咲(プロフ) - 吉沢さん» 大好きと言って頂けて本当に嬉しい限りです！ノロマ更新ではありますが、これからもよろしくお願い致します★ (2017年2月28日 20時) (
レス) id: e21b3fe696 (このIDを非表示/違反報告)
吉沢 - この、作品大好きです。 これからも頑張ってください! (2017年2月24日 8時) (レス) id: f6e11fac32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早咲
| 作成日時：2017年2月19日 23時
