178.赤い耳元 ページ28
──『お前は可愛いの！だから、男にはもっと気を付けなさい！』──
その言葉が頭の中を何周も何周も駆け巡る。
「ほら、分かったんなら会社行くぞ？」
今度は私の手のひらを引いて歩き始めた二宮さん。
「す、すいません...」
私さっきから謝ってばっかり。
...って、そんな事じゃなくて！
ちょっと待って、一旦整理しよう。
私が電車でICカードをなくして焦ってたら男子高生二人組に絡まれて。
それから意味不明な誘われ方をして、戸惑っていたら鬼の形相の二宮さんが現れて助けてくれて。
電車から降りて、何故か怒りの矛先は私で、そうかと思えば二宮さんは困った顔をしていて。
それで...信号待ちしてたら、あの言葉を言われて。
だ、だめだ！
意味が分からない！
いや、あの分かるけど分からない！
分かったらなんかだめな気がする！
私の手を引いてサッササッサと歩く二宮さんは、心なしかいつもの何倍も早歩きなような。
「に、二宮さん...」
「...なに」
「さっきの事、なんですけど...」
「...掘り返すな」
全然振り返ろうともしない二宮さんの後頭部ばかり見つめる私。
後頭部しか見えてないし、さっきのあの二宮さんらしからぬ言葉といい、私が今手を引かれているのは本当に二宮さんなの？と疑ってしまうレベル。
そんな有り得ない事を考えながら、ふと二宮さんの耳元を見てみると、普段の彼の肌の白さからは考えられないくらいの赤みを帯びていて。
何だかよく分からないけど、二宮さんだ...なんてフワフワした答えが頭に浮かんだ。
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早咲(プロフ) - 吉沢さん» 大好きと言って頂けて本当に嬉しい限りです！ノロマ更新ではありますが、これからもよろしくお願い致します★ (2017年2月28日 20時) (
レス) id: e21b3fe696 (このIDを非表示/違反報告)
吉沢 - この、作品大好きです。 これからも頑張ってください! (2017年2月24日 8時) (レス) id: f6e11fac32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早咲
| 作成日時：2017年2月19日 23時
