167.ぐうの音。 ページ17
サクッと海老天を齧った。
おつゆと相性バッチリで物凄く美味しい。
「海老天とAちゃん」
「......」
「フフッ、可愛い」
相性バッチリ、とか美味しい、とか言う前に。
ご飯を食べる私の目の前で両肘を机に付けて掌に顔を乗せて微笑む智さん...この状況って何事？
...ってゆーか、私じゃなくて明らかに智さんの方が可愛いでしょ。
「...あの、智さん...」
「うん。オレの事は良いからそのまま咀嚼してて？」
「......」
「咀嚼してて？」って...そんな要望聞いたの初めてなんですけど...。
とりあえずまあ、言われた通り、咀嚼を続ける。
モグモグモグ。
ゴックン。
咀嚼を終えてチラリと智さんを見ると、楽しそうに笑っていた。
本当に不思議な人だなぁ。
「さてと。本題に入るか」
「本題...？」
「Aちゃんが仕事に集中出来てなかった理由！」
「ちょっ...智さん！」
お昼休みの社員食堂。
そんな場で、突然大きな声を出したかと思えば、なかなか際どいワードをぶちかましてくれた。
焦った私は、手元にあった海老天を智さんの口の中にぶちかました。
「ふぉっほ、わうぃふぃふぇんうぉー」
ちょっと、何してんのー。
彼はきっと、そう言っている、筈。
海老天を飲み込んだのを確認してクレームを入れる。
「智さん声大きい！」
「ええ？今んところAちゃんの声が一番響いてるよ？」
...ぐうの音も出ない。
只今、社員食堂中には私の必死こいた声が響き渡っている。
チラホラ気味悪そうに私を見る社員も居る。
自分の残念さに軽く落ち込んでいると「フフン」と鼻で笑う智さん。
うぐぐぐ！
凄い腹立つけど、智さんのリアクションに間違いはない！
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早咲(プロフ) - 吉沢さん» 大好きと言って頂けて本当に嬉しい限りです！ノロマ更新ではありますが、これからもよろしくお願い致します★ (2017年2月28日 20時) (
レス) id: e21b3fe696 (このIDを非表示/違反報告)
吉沢 - この、作品大好きです。 これからも頑張ってください! (2017年2月24日 8時) (レス) id: f6e11fac32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早咲
| 作成日時：2017年2月19日 23時
