165.嫉妬 ページ15
連行された先は、普段から様々な部署の社員がよく使う資料室。
でも今の時間は朝が早いせいか、誰も居ないし、誰も入ってくる様子もない。
それが、かなりの恐怖。
二宮さんも黙ってばかりだし、空気が悪すぎて...どうにかしようにも、どうしようもない。
「あ、あの...」
沈黙に耐えられず、二宮さんの様子を窺いながら、探るようにボソボソ呟くと、二宮さんが困ったように笑った。
「A」
「...はい...」
「オレ、普通の男なの。Aと付き合ってる、普通の男」
「......」
「だからさ、妬かない訳ないよね？」
「...え？」
「朝来たら相葉とAがイチャついてんだもん」
「イチャついては...！」
「でもそう見えた」
「......」
幼児をあやすように話す二宮さんは、一見柔らかな表情をしている。
でも、瞳の奥は寂しさを帯びている、ような。
フフンって明らかに無理して笑って、顔を俯かせた二宮さんの姿に、胸がキュウ...と苦しくなる。
「悪いけど今、絶賛嫉妬中だからね？」
目を細めながらそう言った二宮さん。
そんな二宮さんの手が私の頭上へ回ってきて、ゆっくりと撫でてくれる。
「...ごめん、なさい...」
何だか素直になれた気がして、ポツリと本当に小さな声でそう言うと、二宮さんが、んふって吐息混じりに笑う。
今度は無理してない感じで、心が落ち着く。
彼の言動の一つ一つが、私の心を動かす。
一喜一憂してるって事か。
「可愛いから許す」
......ああ、駄目だ。
ほんの一瞬で蕩けそうになる。
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早咲(プロフ) - 吉沢さん» 大好きと言って頂けて本当に嬉しい限りです！ノロマ更新ではありますが、これからもよろしくお願い致します★ (2017年2月28日 20時) (
レス) id: e21b3fe696 (このIDを非表示/違反報告)
吉沢 - この、作品大好きです。 これからも頑張ってください! (2017年2月24日 8時) (レス) id: f6e11fac32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早咲
| 作成日時：2017年2月19日 23時
