アドラブル・バランス【K.N】 (ページ7)

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7.カワイイ系男子ページ7

首を縦に振った私を見て、「よし来た！」とニコニコしている二宮さん。

「じゃあ、あの...少しだけ準備してからでも良いですか？」
「うん。良いけど、サッサとね」
「は、はい...」

二宮さんって、意外と...かなり面倒な人なのかもしれない。
そんな二宮さんが今日から直属の上司。
......不安すぎる。

「アヒャヒャ！Aちゃん、大変そう！」
「もう、相葉くん...他人事すぎない？」
「えー？でも、オレはオレで大変だと思うけどなぁ」
「...そうなの？」
「うん。まぁ、なんとなくだけどね？」

そう言って、デスクから広報部の出入り口で喋っている二宮さんと松本さんを2人そろって凝視。

確かに、松本さんは仕事に厳しそうな感じもするにはするけど...絶対優しそう。
その点、二宮さんは......

「二宮くん、怖そうだよねぇ」
「わわっ！あっ...お、大野課長...」
「もう、課長！ビックリさせないでよ！」
「えー？ンフフ。別に相葉ちゃんをびっくりさせようとした訳じゃねぇんだけどね？」

急に背後に現れてニコニコ笑っている大野課長は、何とゆーか...ホントに自由気まま。
こんな人が直属の上司だったら、もの凄く楽しいんだろうけど...もの凄く大人としての成長は出来なさそうだな。

「Aちゃん、平気？」
「へ...？何が、ですか？」
「何が、って...二宮くん」
「あ、あぁ...二宮さん、ですか...」

不安？そんなもの不安に決まってる。
不安、じゃないのかも。
......怖いんだろうな、新しい人ってゆー事自体が。
小さい頃から典型的な人見知りで、何でも『最初』が苦手。

......不安、ってゆー事なのかな。

「正直...不安、です。初対面ですし...」
「Aちゃん、そーゆーときは掌に『人』を10回書いて飲み込むと良いんだよ！」
「...それはさ、緊張してるときとかのおまじないじゃないの？」
「あれ？そうだっけ？」
「ンフフ。相葉ちゃん、おまじないの乱用は良くないよ。神様が怒っちゃう」
「え、うっそ！神様怒っちゃうんなら、もう言わない方が良いよね！？」

カワイイ系男子。

それはまさに、この2人みたいな人のことを言うんだろうな。