アドラブル・バランス【K.N】 (ページ24)

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24.突然の思いつきページ24

「Aちゃーん？」
「あっ...は、はい！」
「二宮くんの事、心配だと思うんだけど...どうかな、この仕事。無理だったらオレやるけど」
「い、いえ。全然大丈夫です！私がやります！やらせてください！」
「ンフフ、頼もしい。ありがと、Aちゃん」

そう言った大野さんは自分のデスクの引き出しから、会社案内の見本や前年度の作成されたものが入っているクリアファイルを取り出して私のデスクに置いた。

なんか大野さんって...不思議な人だよなぁ。
入社当時からずっと思ってたけど、あの人は本気で人の心が読めてるんじゃないかだなんて考えてしまう。

「Aちゃん、おはよー！」
「あ、おはよう。相葉くん」
「あれ？今日二宮さん休み？いつもこの時間には来てるよね？」
「あ、うん...熱でお休みだって...」

私がそこまで言うと、カバンも置かず来たまんまの格好で「うーん...」って悩み始めた相葉くん。
それから1、2分が経ってから、何かを思いついたのか、右手で作った拳で左の掌を軽く叩いて「分かった！」と一言。

「Aちゃんさ、仕事終わったあと暇？」
「うん、まぁ...予定はないけど...」
「じゃあさ！二宮さんちにお見舞い、行こうよ！」
「...えっ...！？」

相葉くんの思いもよらない思いつきに、私はただただ動揺するしかなかった。