OMI ページ5
春の夜に突然の訪問
１年に１度だけ、すぐに散ってしまう花みたい
いつも突然に現れては消えるそんな人
そんなつもりはまったくなかったのに気づいたらAを抱きしめていた
春の夜のような空気
ピンと張りつめてるけど少しだけ暖かい
臣「こんな事もできちゃう大人ですけど？」
固まってるのがわかる
予想外の自分の行動
たしか前にもあったな、こんな事
さぁ、どうしようか…？
「や、やっぱ大人だね！」
切り出しのはAだった
「ご、ごめんね！子供扱いして…」
俺の胸を押して簡単に離れた
臣「……もう大人だっつーの」
「だね…」
あんなに近かった距離がもう遠い
なんだかまた抱き締めたい
「明日早いからもう帰ろうかな…」
臣「…うん」
おもむろに立ち上がるAはこっちを見ない
玄関に向かう後ろ姿を送ろうと立ち上がった
靴を履く姿は
急いでるようにも焦っているようにもみえる
俺はやっぱりただの幼なじみなのか
べつに悲しいわけじゃない
ただ…なんだか今日は
帰って欲しくない気がする
春になってセンチメンタルになったのか
「じゃあ…また…」
やっぱりこっちを見ない
いたたまれなくなって手を掴んだ
次の瞬間
桜の香りがした
俺はAに抱き締められていた
予想外の出来事に身体が動かない
もちろん言葉も出ない
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 210人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にーやん | 作成日時：2016年3月26日 23時
