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YOU ページ23
このマンションを気に入った理由はひとつ
周りに緑が多かったこと
たしか臣くんもそんな事言ってた気がする
隣同士の家を出ても結局同じ町に住むなんて思いもしなかった
さすが幼なじみ。
そんな所まで似てるんだって思うと素直に嬉しい
「狭いけど、、どうぞ」
真っ暗な玄関に香るラベンダーの香り
インテリアのこだわりは特にはないんだけど
帰ってきた時に同じ香りがするとうちに帰ってきたって思うかなって置いてある
毎日同じ香りがするのに今夜は違う
柑橘系の爽やかなにおい
それでいて甘く忘れられない
やっと、うちに私以外の人がやってきた事を理解した
ドアが閉まる前に玄関の明かりをつけようとスイッチに手を伸ばした時だった
臣「高山さん置いてきたの？」
突然高山さんの名前を言われて電気のスイッチを押せなくなった
暗い玄関
カーテンが開いたままの窓ガラスから光が差しているけど向こうをむいたままの彼の表情は見えない
「……置いてきちゃったよ、だって」
そこまで言うと口が重たくなった
この続きは言えないよ
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作者名：にーやん | 作成日時：2016年3月26日 23時
