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田所ｓｉｄｅ
症状が少し落ち着いて、検査をしている。血液検査、心電図、胸部レントゲン・・・今私の頭の中に浮かぶ病名の検査。
さすがに心電図とか一人でするのは無理だからこの病院で信頼できる木島部長に説明をしてお願いした。
最初は驚いてたけど今は医者として私の検査を真剣にしている。
全部の検査を終え木島部長と一緒に確認する。
木「これは・・・・・」
やっぱり・・・・
血液検査で見られる、「遊離Ｔ３」「遊離Ｔ４」という甲状腺ホルモンの数値。
頻脈に動悸、
心電図による、不整脈
胸部レントゲンで発覚した、心臓の拡大。
そして私は５年前にバセドウ病にかかってる。
一度は治癒したものの再発の可能性、
そして・・・
A「甲状腺クリーゼ・・・」
そうバセドウ病を代表として甲状腺機能が過剰になる病気を発症する病態。
死亡率は１０％強と低いもののその可能性がないわけではない。
木島部長に再度、口止めをして医局に戻ると、橘先生がいた。
橘「A、聞いたぞ。初療室から突然いなくなったって・・・何してたんだ」
少し怒ったような表情の橘先生。
A「今日、初めて命が危ない患者から離れました・・・」
医者を始めてから今日が初めて・・・・
A「処置してた時、急に手が震え始めたのに気づいて、動悸もしました」
橘「まさか・・・」
橘先生と三井先生は私がバセドウ病にかかっていたことを知っている。
A「はい、再発してました。それに、検査して甲状腺クリーゼの症状も・・・」
そういうと橘先生は目を見開く。
A「治療はちゃんと受けるので、みんなには内緒でお願いします」
橘「分かった・・・無理はするな。何かあったらすぐに言うこと。いいな」
A「はい」
心を支配する不安。
そう、
誰にも私の痛みは分からない。
優輔の痛みもはるかの痛みも・・・。
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作者名：隆佳 | 作成日時：2017年9月26日 23時
